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「―――それじゃあ、アリスはもう俺の所には、遊園地には帰ってこないって言うのかよ。冗談だよな?冗談だって言えよ!!」
「端からそう言っているではありませんか。最初に遊園地に滞在してしまったのが、そもそもの間違いだったのです。」
「ペーターは口を挟まないで!ボリス、私が自分で考えて自分で決めた事なの。」
ボリスが悔しげに顔を歪めて、今度は目の前のパロマの首を締め上げる。
「?!」
「なら、アリスの代わりにこいつで遊んでも、アリスは何とも思わないんだな。」
嫉妬心を煽る為にしても、締める力が強すぎる。パロマは腕から逃げられず、本当に窒息しそうになった。しかも、身体の力が抜けきってしまったパロマは、少しの抵抗も出来ない。息が苦しくて、苦しくて、でも、胸の方が断然苦しくて・・・・・
「ボリス!バカな事は止めて!!貴方だって、これが正しくはないって事は分かっているでしょ?!」
「嫌だ!俺はアリスが遊園地に帰って来ないのなら、今ここで、こいつの首をへし折ってやる!」
「ボリスっ!・・・もう無理なのよ!!何で分かってくれないの?!」
「それは、俺が言いたいよ、アリス。何で分かってくれないんだ!!」
どんなにボリスが言葉を重ねても、アリスには届かないのか、ペーターの腕の中のアリスはそこが定位置の様に、動こうとはしなかった。
「ああ、すっげぇ苛々するっ。やっぱさぁ、あんたはここで死んどくか。」
言う事を聞かないアリスにむしゃくしゃしたボリスは、パロマを締めあげる腕にさらに力を加える。
「ぐっ・・・!!」
パロマの表情が苦しそうに歪んだ。と、そこに―――






突然、グルグルと回った凶器が二つ、
審判の間の入り口から、すさまじいスピードで飛んできた。





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