11
(は、発砲した!!!!この人、発砲したっ!!)


パロマは恐ろしすぎて、開いた口が塞がらなくなった。
「―――本当にっ本当に私は何もやってないんです!壊れた建物は弁償しますからぁ!」
懸命に訴えるが、全く聞いてもらえない。
「チッ!まだ言うか。正直に話さねぇと、今度はしっかり狙って打つぜ?」
エリオットは不敵な笑みを浮かべながら、パロマの頭に銃口を押し付けてきた。
「違うんです!あれは、本当に事故だったんです!!」
エリオットの鋭い視線に負けないように、パロマはキッと睨み返した。やってない事はやってない、パロマは嘘を付きたくはなかった。
「自分の状況がまるで分かっていないだろう?その制服、何処の組織の物なのか・・・調べればすぐに判明するぞ。―――自分で話した方が楽じゃないのか?」
ブラッドは心底楽しそうにパロマを眺め、フラフラ玩んでいた銃をパロマの心臓に向けた。
パロマはアリスを探してから、学校に向かう予定だったのだ。
その為、身に付けているのはもちろん学校の制服。
奨学金で通わせてもらっている身で、こんな事態が学園にバレたら即退学処分となるだろう。
「それは・・・それだけは、勘弁してください。・・・どこの制服かは言えません。」
それを聞いた時のブラッドの底冷えする微笑に、パロマは背筋がぞっとした。
「まぁ、言わなくても分かり切ったことだ。エリオット、ジャック・クロフォードのアジトに脅迫状を送るとしよう。そうだなNO.2を預かった、とでも明記しておくか。身代金をたっぷり請求しておけ。向こうがどう出てくるか楽しみだな。それではお嬢さん、牢獄での快適な生活を楽しみたまえ。―――お前たち、連れて行け。」
パロマは恐怖で固まっていると、椅子の後ろに回った部下達がパロマを縛ったロープを解くとすぐさま両腕をきつく拘束し、彼女の襟首を掴み立ち上がらせる。
「い、いたっ!!ちょっちょっと待って!!まだ話がっ―――」
パロマは後ろ手に結ばれたので両腕がキリキリと痛んだ。連れ出されそうになって、彼女は対面していた二人に必死に叫びかけるが―――
「ブラッド、今回の取引相手の暴動はどうすんだ。」
「もともと後から行って潰すつもりだったのだ。誰があんな胡散臭い連中と取引等するか。甘い顔を見せて、警戒心を削いだ処で、と思っていたが、予定変更だ。向こうがやる気なら先手を取るぞ、3時間帯後に部下を集めて奇襲攻撃だ。」
二人はパロマからは興味が反れたのか、違う話に打ち込んでいる。
そして、パロマはまた長い廊下を、両腕の痛みに耐えながら歩かされた。



prev next

14(348)

bkm


top

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -