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「さぁて、君が探しているのは、この金の容器?それとも銀の容器??もしくはこの子ブタのマークの容器かな〜?」


3つの陶器を器用に持ったエースがいた。
右手には『金』『銀』と雑に書かれた白い陶器、左手にはまさにパロマが探していたブタの落書きをした陶器が乗っていた。
「エ、エースさん!!あの、これは、そのっ」
「ブッッ!!」
大量の汗と共に激しく動揺しているパロマを見て、エースは豪快に吹き出した。
(・・・・・・え・・・・・?)
「あ〜っはっはっはっは!!はははははっがはっくっ・・・はははは!!!」
目が点になっているパロマを余所に、エースは笑えば笑う程爆笑に繋がり、息も絶え絶えになっている。しかも、苦しそうにつっかえてもなお、しつこく笑っている。
「あぁ、く、苦しい〜。なに?!君の格好??どこの時代のお方かな?この城を完璧にバカにしてるだろ〜。」


(この格好の事で笑っているのね!!)


パロマは自分が忍者スタイルだった事をすっかり失念していた。確かに笑わずにはいられない、出来れば誰にも見せたくはない程の恥ずかしい格好をしていたではないか。
「はっ!こ、これは、水溜りより浅〜い訳がありまして・・・」
自分の格好で死にそうに笑っていると分かって、パロマは湯気が出そうな程真っ赤になった。
(これはナイトメアさんが勝手に用意したものであって、私が好きで着ているんじゃないのに!!)
「どんな訳があるって言うの。聞いてあげるから言ってみなよ。」
やっと笑いが止まったエースは、それでも遠慮なくパロマの事をジロジロと眺めている。
「ふざけているんだと思います。」
もちろん、ナイトメアが。
「・・・ふ〜ん。ハートの城に潜入して?牢屋を破って、兵士達を全員眠らせたのは、す・べ・て・君のおフザケだったって事か。」



―――あ。主語を付けるのを忘れていました。








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bkm


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