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「ごごごご誤解です!貴方が持っているそれを探していたのは事実ですが、私は全くふざけてはいません。すべて真剣で大真面目です!!」
「となるとぉ、君は真剣にこの城に対して楯突こうとしている訳だ。そんな清らかそうな顔をしていて、とてつもない事を企てたね。」
「ええっ?!いえ、そう言う訳では・・・あ、いえ、でも・・・・えええ??」
「図星だね。格好はふざけたけど、大真面目で喧嘩吹っ掛けに来たんだろ?この城に。」
とんだ藪蛇だ。言い訳が逆に自分を窮地に立たせた。
アリスを助けに来ただけなのだが、城内部の者からしたら、パロマの行動はそう取るしかない。せめて普通に制服だったらと、心の中でナイトメアに怒りをぶつける。死ななくったって、心の底から怨んでみせる。
「なぁに?何か弁解出来るんだったら、言ってみろよ。ほら。」
パロマのしかめっ面を、エースは自分の言葉に対する反抗と取って、余裕の表情でパロマに言葉を促してきた。
エースは廊下に陶器を置いて、ドアに寄り掛かり腕を組んでいる。楽しそうな笑みを浮かべているが、敵なのか味方なのか、パロマには計り知れなかった。
顔見知りというハンディで、見逃してはもらえないだろうか。
しかし、森で彼と対峙した時の事を思うと、その可能性がパロマの頭の中で脆くも崩れ去って行く。
この騎士は、武器も持たない女の話を聞き出す為だけに、笑いながらしかも何のためらいも無く、剣を構える事が出来るのだから。
「エースさん・・・貴方は」
パロマが続きを喋る前に、突然廊下に足音が響きだした。ここへ来て聞きなれた硬質の音に混じって、カツン、カツン、とヒールを踏み鳴らす音も聞こえる。
エースがチラッと廊下に視線を流し、気持ち姿勢を正した。




「あ、陛下。お帰りになっていらっしゃったんですね〜。」




手を振る位の気軽さで話しかけるエースに、1人の女性が驚いて立ち止まる。
「エースではないか!」


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bkm


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