03
「パロマ・・・君は・・・・何だろう、すごいな。帽子屋屋敷を出てから怒涛の歩みだ。一か所でクスぶっていたのが嘘の様だな。―――それにしても、ユリウス=モンレーまで関わっていたとは、あいつは人との関わりを一切経っていたのに、君を助けるとは意外中の意外だ。」
ナイトメアは心底ビックリしたように話し出した。パロマがうっ潰した頭を少しだけ持ち上げる。
ナイトメアを視界に捉えると、彼は現す事のできない神妙な面持ちをしていた。
「パロマが来てから、ゆっくりと波打っていたこの世界が波紋の様に振動してきている。多くの人物が君と関わり、奔走され、何があっても微動だにしなかったカードも、今や足踏みを始めた。」
パロマがゆっくりと頭を上げる。
彼の言葉は、いつも聞き逃してはいけない重さがあるのに、パロマの理解力を遥かに超えている。若しくは万物を知っているのに、敢えてヒントを与えてくれない厳しさがそこにはあった。
「パロマ、どうするのだ?そんな大物動かしたら、もう取り返しがつかないぞ。」
冷たい訳でもなく、温かみがある訳でもない視線に、パロマの身体がビクッと震える。
「なっ・・・なな何の事ですか。どんな脅しなのか、さっぱり分からないんですけど・・・。」
口がガクガクと鳴っているパロマに、ナイトメアが見せ付ける様にため息を吐く。
「さっぱり分からんのはこっちの方だ。ま、兎にも角にも今は現状の話をしようではないか。」
パロマは動揺を抑えようと湯呑を口元に持って行こうとして、その動作をピタッと止める。そして、彼の次に始まるお告げを待った。





「パロマ、このまま行くと確実に命はないぞ。女王に見付かり首をちょんだ。」







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bkm


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