01
「パロマ・・・パロマ〜。」
夢うつつを漂うパロマを、呼び掛ける声が聞こえる。
「起きろ〜!夢の中で起きろと言うのもまた可笑しなものだが。フフフ。」
重たい瞼を嫌々開けると、自分の台詞に自らがクスクスと笑っているナイトメアが、パロマの視界一杯に飛び込んできた。
「う・・・ん ・ナイトメア・・・さん?」
パロマは瞼をゴシゴシと擦りながら上半身を起こす。まだ寝ぼけていたが、
「お久しぶりれす〜・・・・・っ!ああああ!!あっあなっ貴方には言いたい事が山程あったんですからね―――!!!!!」
突然はっきりと目が覚めて、ガバっと立ち上がった。そして鬼の形相でナイトメアに襲い掛かる。
「何なんですか貴方の情報!!全部でたらめじゃないですか!!!!どうしてくれるんですか!!!!!」
彼女は座イスに座ったナイトメアの背中をポカポカと殴る。
「グサッ!君は段々言葉が辛辣になってきたな。」
非力のパロマの攻撃なんて痛くも痒くもないのか、ナイトメアは何かが胸に刺さった下手な演技をする。大根役者も良い所だ。唇が笑いを堪え切れずに、プルプルと震えている。
そのふざけた態度がパロマの怒りをさらに増長させる。
「自分でぐさっとか言わないで下さい。私の言葉なんてホントは何とも思ってないくせに!!」
「いやいや、はっはっは。思ってる思ってる。」
「ウソですよね?!今だったら私だって貴方の心が読めますよ?!」
「そんな事を言うのなら、もう助言してやらんぞ。こっちの親切心を何だと思っているのだ。」
パロマはギギギっと歯を食いしばって怒りに堪える。
「だって、昼間の時間帯なら良いって・・・でもクマがいるだなんて教えてもらっていません!!」
「クマ?!君はクマに襲われたのかっ!」
「バッチリ襲われました!!散々追い掛け回されて、木にまで登って落っこちて、私が転んだ切り株でクマも転んでやっと切り抜けられたんですからねって、何でそこで笑い転げているんですかっ!!ここは深く反省する所じゃないんですか?!」
喉仏が見えそうな位大口を開けて笑っているナイトメアに、グラグラと沸騰したパロマがさらにボカボカと殴りにかかった。


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