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町民1「んあぁ?王宮のご様子だぁ?そんなんあの冷酷無残な女王が首切って首切って、やりたい放題なんじゃねぇの?この前も大勢切られたって聞いたぜ。あの人はもう、どうしようもねぇな。きっと血の色は緑だぜ。」


町娘1「え?お城の事を聞きたいって?そうねぇ〜・・・あっそうそう、こないだ酷い事があったのよ〜。もうすぐ舞踏会だから街も盛り上がっているでしょ?お城の外が騒がしいって、女王様から苦情が入ったみたいで、城から一斉射撃されたのよ?!一斉射撃って意味、あんた分かる??・・・守ってもらってんだか、敵なんだか。ま、私は生き残ってるから別に良いんだけど〜。」


老人1「オオサマ・・・・・はて・・・誰の事やら・・・。」


商人1「は?王様・・・?そんな奴いたっけか??」


子供1「女王が首狩りに来たぞ〜逃げろ〜!」


子供2「わーい!女王様チョ―こわ〜いっ!!」




パロマ「・・・・・・・・」




道行く人を大勢捕まえて、何とか話を聞き出すと、どれもかれも耳を疑う様な噂話ばかりだった。統計した結果・・・はっきりした事がある。
ユリウスが言っていた事は夢物語ではなく紛れもない真実だ。
女王はどこまでも残虐で、王は限りなく空気に近い。
そして最後に話を聞いた大工職人の話が頭を掠めた。


『ま、王宮の話なんて、一般庶民の俺達に取っちゃ雲の上のまたさらに上ってもんだ。別世界なんだよ。』


分かりきっていた事だが、パロマはここで言うなら一般庶民だ。
養家のファミリーネームを盾にした事はないが、それをした所でこの世界では何の意味も無い。しかし、それはアリスも同様の筈。一般庶民である彼女が、どういう経緯でハートの城にいるのか・・・。
「やっぱり囚われているとしか思えない・・・。早く・・・早くアリスを助けに行かなきゃ。」
しかし、パロマの頭には別のイメージも植え付けられていた。


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bkm


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