04
・・・頭がズキズキする。


パロマは意識が段々戻ってきて、薄らと目を開けた。
そこはジメジメとした薄暗い空間だった。
岩場を切り開いたようなゴツゴツした岩壁で、湿気のせいか少しヌルッとしていて至る所に苔が生えている。要はとても居心地が悪い。
ポタン、ポタンと上から水滴が落ち、下にある桶に溜まっている。ゴソゴソと微かに音がするのはねずみでもいるのだろうか。決定的なのが、目の前にある頑丈そうな鉄格子だ。


どうやらパロマは牢屋に入れられてしまったらしい。


どこからかすきま風が吹き、パロマは寒くて凍えそうになった。
彼女は震えてうまく動かない体を少しずつ何とか動かし、薄暗い牢屋の隅っこまで辿り着くと、身を縮めてギュッと自分をかき抱いた。彼女の震えが止まらないのは寒さだけのせいではない。


(何で・・・何でこうなったんだろう・・・。)


怖くて怖くて仕方がなかった。何が何だか訳が分からない。
そもそも大きい穴に落っこちた筈なのに、どういう事なのか遥か上空から落下して見知らぬ建物に激突した。ガラの悪い立ち上がれない人たちに絡まれ、ない罪を着させられた。そして捕まって、こんなコッテコテの牢屋に、何故、自分が入らなければならないのか・・・。
彼女はポケットから小さな瓶を取り出す。
(この中身、何だったのかな・・・。お腹も痛くないし、飲めない物ではなかったと思うのだけど。)
いろいろ考えていたら少し震えが収まった。
パロマは何度か深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。
ネズミが生きて生活している位だ、ここはきっと死ぬ程辛くはない筈。無理やりにでも明るく考えようと、彼女は頭を上げた。
余裕が出てくると、今度はお腹が空いてきた。逃げる様に家を飛び出してきたので、朝食も取っていないパロマだった。
ギューギューと鳴るお腹を抱えこみながら、そのままコテンと横に倒れる。1人食べ物の妄想に走っていたら、疲れのためか気を失う様に眠りに就いた。


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bkm


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