保健医×学生
「よう、サッチ。次は移動教室かい?」
「げっ、マルコ!」
現れた白衣の男にサッチは声を漏らした。
「ここは学校だよい?」
「・・・マルコ先生」
「ちゃんと気をつけろよい」
「いや、この体勢で言われても・・・」
サッチは今壁を背にマルコに迫られている。
「文句あるのかい?」
「ッ・・・!」
耳元で囁くと第二ボタンまで開けられた学ランの隙間から手を滑り込ませる。
シャツ越しに手が肌を這いまわる。
「ちゃんと前は閉めるのが正しい着こなしだろい?」
「だけどみんな開けて・・・」
「なら、こんなことされても仕方ないねい」
「ひぁっ!」
慌てて己の口を塞ぐサッチ。
誰かが来るかもしれないというのにマルコはサッチの胸を弄り続ける。
「へぇ、服越しでも感じるのかい」
くすりと笑う声。
その言葉に顔が真っ赤になる。
「マルコッ・・・!」
「先生だろい?」
白衣に縋るサッチに意地悪気に囁く。
「マルコ先生ッ・・放して・・・」
サッチの言葉にマルコはゆるりと笑みを浮かべた。
そして満足そうに述べる。
「わかったらちゃんと閉めるんだよい・・・返事は?」
コクコクと首だけでサッチは返事を返した。
その頬を優しく撫でる。
「それでいいよい。そうだ・・・」
何か思いついたように手を止める。
「?」
「昼休み待ってるからねい。ちゃんと来いよ?」
言葉を紡いだ唇がサッチの頬に柔らかく押しつけられる。
サッチは微かに頷いた。
「ほら、遅れるよい」
いつの間にか床に散らばった教科書等を拾い集めてサッチに手渡す。
何事もなかったように颯爽と立ち去るマルコ。
サッチはその姿をただ呆然と眺めていたが鐘の音で我に返り、慌てて駆け出した。
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