ピカッ!

「ひっ!」



ドーンッ!!!



ぎゅううううッ!


「おい、マルコ!締め過ぎだ!」

あまりの苦しさにサッチが肩を叩いてもマルコは張り付いて離れない。
顔を上げるのも嫌らしくサッチの胸に顔を押し付け、その体は心なしか震えている。

「ッ〜〜〜〜〜」

ぎゅううううう・・・!

「ちょっ、ほんと、マジで・・・」

マルコのあらん限りの力は洒落にならないくらい強い。
抱きつかれるのはとても嬉しいのだがこの力では自分が抱き潰されてしまう、とサッチは冷や汗を流した。


ドーンッ!!!


「ッ〜〜〜〜〜」

それでも震えるマルコは放っておけないし、どうしたものかとサッチは考えあぐねていたがマルコの腕をぎゅっと握った。

「っふ・・・ん・・・」

胸元に押さえつけられた顔を無理やり引き剥がしてその唇に口付ける。

「ふぁっ・・・」

ようやくマルコの手が緩まる。

「大丈夫だから」

すかさず声をかけながらサッチは今度は自分からマルコを抱きしめる。
腕の中のマルコが大人しくなった。
そのままゆっくりとサッチはベッドへと歩み寄る。


バサッ・・・


マルコを抱いたままサッチは布団を頭から被った。

「サッチ?」

「こうすれば怖くないだろう?」

布団よって作り出された真っ暗な空間は雷の光を閉ざし、鳴り響く雷鳴を和らげる。
それでも聞こえてくる音をサッチはその手でマルコの耳を塞いで封じた。
温かい体温とほのかに香るサッチの匂いを感じながらマルコはその体に腕を回し、ゆっくりと目を閉じた。

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