小説 | ナノ


あの後、神官様と話した。
神官様が言うには、あの建国神話伝説の四龍は存在し、仲間に迎え入れ旅をせよ。とのことだった。


このまま旅をすると、私とハクはいずれ姫様を護り死ぬらしい。



「ま、死ぬつもりなんてないけど」


ね?ハク。
と後ろの木に向かって振り返れば、やっぱバレるかと姿を現すハク。



「お前大怪我してんだからこんな夜中に彷徨くんじゃねーよ」



「全く小言がおおいですな、ハクさんは。
ジュドさんみたい。」



「あそこまで堅物じゃねーよ」


早く戻って寝ろと言うハクに、うん。と覇気のない声を返した。
それにハクが気づいたかどうかはわからないけど。



「おお〜!可愛らしいお召し物ですね、姫様」



「でしょう!ユンが作ってくれたのよ!」



翌朝用意を整えて、ユンの所に行った姫様の様子を見に行けば、姫様のお召し物が可愛らしいものに変わっていた。
さすがに修復できないところまで破れていたためだろうか。
そして事後報告になるが、ユンがこれからの旅についてくるようだ。



「ユンシェの分もあるよ」


「えっ」



「そうよ!私と色違い!」


そう言われて目の前に突きつけられたのは、姫様と色違いの緑色の服。
その緑を目にして懐かしいのを思い出したが、首を振って誤魔化す。



「イヤイヤイヤ、自分戦闘員ですよ?」


「…だから?」



「こんなヒラヒラ着てたらぱんつ見えます」



女の子が真顔でそう言うこと言わない!!とユンに頭を叩かれた。



「でもそうねぇ、そしたらユン…
どうしたらいいかしら?」



「まぁ、ユンシェにはそういわれるかなって思ってもう1着あるよ」



「お!?」


ほら、と目の前に出されたのはまたまた緑色のの服だったがハクの服の様な形に変わっていた。



「おっ!おおお〜!」


「気に入った?」



「うん!大切に着るわ!ありがとうユン!」



にっこりと笑えば、ユンは真っ赤になって狼狽えていた。おもしろ…!







「さて、じゃあ髪の毛も整えようかしら」


そう言って姫様が手にしたのは壁に掛けられていた斧だった。



「中々男前だな姫様…」



「えええええ!?ちょ、お姫様!やるから、俺がやるから何もしないで!!ユンシェも感心しない!」



「はぁい」



ユンが姫様の髪を整え始めて、思った。
あんなに髪を大切にしていた姫様が自身の髪を切り捨てた。
それなのに、私が伸ばしていては不快ではないのだろうかと。
まぁ、正直鬱陶しいし切ってもいいんだよね。
次期将軍剥奪だろうし。

思い立ったが吉日で私は2人が集中しているのをいいことに、コッソリと川へと行き、切る準備をした。


だってあの2人絶対反対するし。
服もハクと似た感じだから、ザックリいったら男だと思われそうだな〜。
それはそれで面白そう…


「こういう時、武器がハクみたいな大刀じゃなくてよかったなって思うわぁ

ん、よしこんなもんかな〜」


あんな大刀じゃ首までザックリ行きかねない。(笑)
首辺りまで切って、切り口を刈上げっぽくした。


「あ、ユンシェ!こんなところにいた!
もう出発するわ…よ…!?」



「あ、姫様」


振り返ると姫様がいて、ちょうど茂みから姿を出し、お互いがよく見える状態になった。
そしてそれはもう姫様の黄色い悲鳴が谷底に響いたのだ。


「あ、姫様…じゃないわよ!!ちょっとどういう事よ!ユンシェ!説明なさい!」



「えっ、えっと姫様がお髪を切ったのだから私も切るべき…いやそうではなく

まぁ…気分転換ですよ」



「そんなの納得できるわけないでしょう!」


馬鹿ユンシェ!!と叫んだ声はまたもや響き渡り、ついにめんどくさいやつが姿を現す。


「姫さん!ユンシェがどうか、した……!!??」



「よっ、ハク」


「あ、ハク!ちょっとハクからも何か言ってやって頂戴!!」



そう姫様が言うと、聞こえていたのか聞こえていないのか、返事もせずに無表情で近づいてきて思いっきり髪を鷲掴んだ。



「いだだだだだ!?!」



「あァ!?おまっ、これ…!どういうことだ!?」



「いやっ、…だから…!」


その後2人から更にユンも加わり3人になり、事情を説明する。



「はぁー…、お前は何でもかんでも突拍子なさ過ぎんだよ」



「似合ってない?」


「まぁ…かっこいいけどね…」



「ちょっとお姫様!?」



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