小説 | ナノ
「絶………対、イヤ!!」
「イヤってお前なあ、そんなの、
俺らだって言いたいッスよ!!?」
ぐるん!と己に向いたクルーの目にローはため息をついた。
麦藁の匿いと物資補給のため、ハート海賊団は女ヶ島“アマゾンリリー”に停泊していた。
そんな中、ルフィも目覚め物資もある程度補給できたため今後の進路について打ち合わせ中、問題は起こった。
ローは単独行動、トリシーを含むハート海賊団クルーは先行してゾウに向かえ、と命令が下ったのだ。
「トリシー、そもそもお前そんな足でついて来れないだろう。お前らもトリシーを守りながらゾウに向かえ。」
「そ、素材があれば直せるもん!」
「……これは俺個人の問題だ」
「恋人でしょう…!?」
「………ダメだ、お前たちがいると俺にとって不利になる、しかもトリシーお前は足が潰されてる。正直足手まといだ。」
「足手まとい…!?」
「あの失礼しますね、」
トリシーとローの言い合いを見ていたクルーたちだったが、ペンギンが名乗り出る。
「キャプテンの思ってることはおおよそ理解しました、その上での提案です。
俺たちは指示通りゾウに向かいます。ただしトリシーはキャプテン、あなたが連れて行ってください。」
「ハァ!!?ペンギン何言って…!」
「こっちでも足手まとい!?」
「あなたは俺たちがやられでもしないか心配なんでしょう。危険だというなら人数が多いと気づかれやすい、それなら確かに俺たちがいないほうがいいかもしれない。でも、そんなに危険なら俺たちだってあなたが心配だ。だからクルーの中でおそらく一番強いであろうトリシーを連れて行ってください。」
「いやいやいや!ペンギン、トリシーは足潰されてんだぜ!?まともに戦闘なんてできるかよ!?」
ペンギンの思いもよらぬ提案にシャチたちが抗議する。
「だから、直すもん」
「トリシー、それなんだ。」
「「それ…?」」
ペンギンに聞き返すとバサリと机の上にペンギンが調査したであろう紙が乗る。
「“鋼の技師”アイゼン・レコルトという男がいて、これが腕がいいそうだ。鋼の腕や足を提供しているらしくてな。トリシーの足を直せるかもしれないだろう?調べたところ、どうやらこれから向かうパンクハザードにいるらしい。」
「すげー!!ちょうどいいじゃん、ナイスペンギン!」
「“レコルト”レコルト……どっかで聞いたような………」
「いかがでしょう、キャプテン」
「……ハァ…わかった、いいだろう」
「やったー!ありがとペンギン!」
ペンギンの完璧な提案にさすがのローも承諾せざるを得ず、トリシーはローとともにパンクハザードへ向かうこととなった。
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