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「エースが海軍に捕まった!?!」


アメストリスから帰り数日、ここ最近であったことや進路を話をして情報を共有していた。
とりあえずエンヴィーや海軍から逃れ、新世界に向けて着々と準備をしていたところ、目を疑うようなニュースが飛び込んできた。


「ああ、俄かには信じがたいがな。しかも公開処刑になる話だぞ。」


「じゃあ白ひげが動くってことよね?あ、もしかしたらシャンクスも…?」


「トリシー!それ禁句!」


「…ッチ、まぁ赤髪はいいとしてだ。
俺達も動くぞ」



「ハイハイそうですよねそんなニュースより新世界に向かわないと…………って、」




「「「ええええェーーーーー!?!?」」」



てっきり"そんなニュースより新世界にさっさと進むぞ"と、怒られるものとばかりおもっていたクルーは驚きに声をあげた。


「えっ!?動く?動くって新世界へって事ですか?」


「マリンフォードだ」


「?インペルダウンじゃなくて?」


「最終地点は処刑台だろう?なら白ひげはマリンフォードに行くはずだ、ライバルに恩売っとくのも悪くねぇぞ?」


「「はぁ〜〜!キャプテンかっこい〜〜!!」」


「でも白ひげさん達が来るってことはそこには世界レベルが集まるってことよね?」


ローのかっこよさに惚れ惚れしているクルーを置いて、ポツリとそう溢すとビシリとクルー達が固まった。


「そ、そうだよ!キャプテン!!殺されちゃう!海賊王になる前に死んじゃうよぉ〜!」



「そうっすよ!穏便に行きましょ!さっ、新世界新世界〜」


「進路は変えねェ、行き先はマリンフォードだ。」


「キャプテン〜〜!!?」


「心配すんな、行くタイミングはズラす。世界戦力、見てみたくねェか?」



「「み……っ、見たいです〜〜〜!!」」


ニィとニヒルに笑うローにクルーの指揮が高まり、次なる航路はマリンフォードとなった。







"お前の父親は!!ゴールド・ロジャーだ!!"


「聞こえる、」

「トリシー?聞こえるって何が?」

「…戦火の音が…

戦争が始まる…!」


「!俺には何も聞こえないが…、」


あの頃幾度となく味わったあの感覚が冴え渡る、風に乗ってきているのだろうか?


「聴こえすぎて、痛いくらい…」


「大丈夫か?トリシー」


ペンギンに心配されつつ、耳を塞いだ瞬間だった。


"俺の愛する息子は、無事なんだろうな…!!!!"


「っ!!帆をたたんで!余波がくる!!」


「余波?何も…!待て、今すぐ帆をたため!!」


白ひげさんであろう声と共に衝撃が向かってくる感覚を感じ、私とペンギンの声に急いで帆をたたんだ瞬間、ゴォッ!!!という轟音と共に空間が裂けた。


「トリシー…、お前…よくわかったな…」


「…え?ペンギンには聞こえて、ないの…?」


「それだ、何が聞こえてるっていうんだ?」


「こんなに、悲痛な声が…聞こえない?」


初めての事に驚き、私にしか聞こえていない声もより鮮明に聞こえ始める。









"エーースーー!!助けにきたぞーーー!!"


「っ麦わらくんまでいるの…?!」


「具合が悪そうだと聞いて見に来たが…、
まさか俺より先に開花させるとはなトリシー。」


「ロー…、これ、いったい」


「落ち着けトリシー、新しい力だ。
見聞色の覇気という。覇王色でないにせよ、お前がシャボンディ諸島で興味を引いていたものだぞ、それは。」


「これが…覇気、」


私の様子を見にきたローは、シャボンディ諸島で冥王が私達に向けてきたそれとは種類が違うが、同系統の物だという。


「しかし丁度いい、見つかるわけにいかねえからな。これより潜水してマリンフォードに接近するが、その進路や浮上タイミングはトリシーお前に任せる。」


「えっ?!私!?」


「なるほど、今のトリシーにはマリンフォードの状況が聞こえてる…いいかもしれませんね!」


「ええ!?いいの!?
が、頑張ってみるけど…」


「じゃあ潜水して出来る限り近づくぞ」


船が潜水していくが、変わることなく聞こえる覇気の鮮明さに驚かされる。


「ただ、なんだろうこれ…すっごい疲れるわね…」


「まだ体が慣れてねェからな、寄りかかってろ」


「うん、ありがとう」



ローに寄りかかったまま、初めての感覚に身を任せ、より鮮明さを求めるため集中していく。




"俺は、弟だァアア!!!"



「っ!」



「トリシー、どう?聞こえる?」


「ベポ、急いで近づいて!大丈夫、上は乱闘騒ぎで気づかれっこない。むしろ終幕に間に合わないかもしれない!急ごう!!」


「わ、わかった!アイアイ!!」


急いでマリンフォードまで近づき、待機しようとした瞬間。



"やめろォオオ!!!"


「「「!!!」」」


「さすがに聞こえた?」


「こりゃ…覇王色、麦藁屋か。」


「ん。ただ気配からしてもう倒れてもおかしくない…、ロー」


「わかってる、アイツを今死なすわけにゃいかねえ。



出るぞ、野郎ども…!!」



「「「「アイアイ!!キャプテン!」」」」


ザパァ!!!

浮上して見えたのは赤だった。
向こうで経験した戦争と変わらない赤い景色。



「ひでえ…、これが戦争…」


「もはや俺たちに気づく余裕も無さそうだな」


「そうね…ただ今の状況はチャンス。とりあえずベポ達は治療の準備!なんとかして終わらせなければ…この戦争を…!」


「トリシー!作戦通りだ、頼むぞ」


「アイアイ、キャプテン!」







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