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無事合格し、今日は入学式だ。
未だ入院中のお母さんも含めてすごい喜んでくれた。お父さんなんて職場の人に言いまわったらしい…
焦凍くん、かっちゃんいずくんも合格したのは連絡してたので知っているが、第一印象大事!と小綺麗に整えてきた、

にもかかわらず、

入学式もオリエンテーションも省いて突然グラウンドだと言われたため、登校後すぐに制服から体操服に着替え、整えてきた髪は無造作に結い、美鳥は解せぬと思いながらグラウンに立っていた。


「あ!いたいた」

「ねぇ、あんた。うちらのこと覚えてる?」


バラバラとグラウンドに集まってくる今日同じクラスになった同級生のうち、見覚えのある女の子と男の子に声をかけらた。


「あっ、ロボットに捕まってた…!」


「そーそー、あの時はありがと!言いそびれてたからさ。お互い受かったんだね。ウチ、耳郎響香」


「俺、上鳴電気!あんときはありがとな〜!!」

「いえいえ〜むしろ最後助けてもらっちゃったし…。あ、私、滑空美鳥!これからよろしくね!」

にかりと笑ったショートカットで耳に特徴がある女の子と、金髪の男の子が自己紹介してくれたのでこちらも返す。
話していると、担任の先生が来て話し始めたので解散した。

生徒の如何は先生の“自由”。ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ。
そう言われ、はじまったのは、最下位除籍処分の個性把握テストだったものだから、美鳥の隣に立っていた緑谷は顔を青くした。
思わず隣に立つ優しい幼馴染にすり寄る。


「美鳥ちゃん…!やばいどうしよ僕、個性の調整なんて…!!」

「うわ、いずくん顔真っ青だよ…大丈夫?無個性だって届け出してるんだし先生だってわかってくれるんじゃないかな?」

いずくんがワンフォーオールという個性を受け継ぎ、すでに無個性ではないことを知る由もない私はそう慰めた。
その慰めを受けていずくんは、はわ!と反応したがすぐに、やるしかないとお得意のブツブツが始まる。

私といえば、轟家で訓練を始めてから身体能力がずば抜けていることを知った。力は男性には敵わないが、エンデヴァーいわく反射神経は化け物だそうだ。
そのおかげもあり、個性を使用すればテストは焦凍くんかっちゃんと並び上位に食い込んだ。

「やば…美鳥ちゃん男子に並んで上位とかすげえな…」


「まあ特訓特訓の日々だったからなあ。成果が得られてうれしいよ〜」


俺男子なのに女子に負けるとか…!と落ち込んでいる上鳴に苦笑していると、デクゥ!!!!と聞きなれた声が響いた。


「かっちゃん…?」

「え?あのやばそうなやつと知り合い?」

「あ〜、あのモジャ毛の子も合わせて幼馴染」

「幼馴染?!3人そろって雄英ってすげえな!?」

「私もそう思う」

どうやらいずくんが何かして、それがかっちゃんの気に障ったようだ。
いずくんに危害を加えようとして担任の相澤先生に縛られていた。

とにもかくにも全員が除籍を免れ、明日からヒーローになるための訓練が始まるのである。






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