小説 | ナノ




新世界、赤髪海賊団甲板にて…






「そういえば、お頭あれは教えてやったのか?」


「あれ?」


シャンクスがベンに聞き返すと、トントンと鎖骨を指した。



「…教えてねえ」


「…あんたなぁ、トリシーが可哀想だろ。それに、大体あんたが付けた痕だろ?」


「だってあんなに想われてんの腹立つだろ!!絶対俺のがカッコいいのに!!」


「…はぁ、嫌われても知らんからな」


「え!?!」


相変わらずのお子様頭のシャンクスに、ベンはひっそりとトリシーに謝った。





ーーーーside トリシー




こういう時に軍人をやっていてよかったなと思う。
赤かった顔もすぐさま戻すことが出来た、まぁキャスに時間稼ぎしてもらってだが。



「……」


「……(汗」


上手くごまかせたと思うのだが、無言のまま歩き続けるキャプテンに不安が募る。
バレて、ないよね?



「…」


「お邪魔します、…きゃ!?!?」


ガチャリと扉を開け、クイッと顎で中に入れと指示され入るとドンッ!と思いっきりベッドに突き飛ばされた。



「ちょ、キャプテ…え!?!」


「誰だ」


「な、なにが」


「っ誰とヤッてきたかって聞いてんだよ!!!」



………は?

…やった?

……ヤッた?



「っやってなんてないわよ!!」



押し倒された状態で、大声を出されビクついたものの、言い返すと胸ぐらを掴まれ着ていたシャツを引き裂かれる。
そこまでされてさすがに恐怖心が出た私は、イヤだとキャプテンを押し退けるがビクともしない。





「っやだ、なにも、してないっ」



「じゃあ、これはなんなんだよ」


「…え?」


キャプテンに指差された自分の鎖骨を鏡で見ると、赤い痕が見えた。
私も子供じゃない、キスマークだとすぐにわかった。



「っこれ…シャンクス…っ」


「赤髪だと…!?」


シャンクスやエースが言っていたようにやはり有名な様で、すぐに分かり顔を歪めたキャプテンに、諸々の説明をした。






「…じゃあなんだ、白ひげの船に飛んで偶々赤髪が現れて攫われて、気に入られたってか。
キスマークまで許すとはな?」



「面目無いです…お酒は得意じゃなくて…」


説明するとまだイラついてはいるが、さっきの様な怖さは無くなったのでホッとした。



「それだけだな?隠してることはねぇな?」



「それだけです」


「嘘だな」


「!!?っえ、」


「他に何された」



えっ、なんでわかるの。
エドや大佐にもバレたことないのに!!
(アルにはよくバレたけど!)



「何されたか応えたら、なんで嘘かわかったか教えてやるよ」



「……キスされました」


「…はぁ、ほんとに少しは警戒心持てよお前。」


それで、なんでわかったの!
と聞くと、嘘つくとき髪の毛を耳にかけるんだよお前。それ以外は完璧だけどな訓練したんだろ。
と言われた。
気をつけよう…



「でもっ、別にファーストキスじゃないし、生娘でもないから気にしなくても」


「いいって?」


じゃあ俺が同じ事をしても構わねェな?と言われ、え?と聞き返す暇もなく塞がれる唇。



「ん、ん、ん!?!」


「…ちゅる、」


「んっ、は…!」


バシバシと叩くが離れる筈もなく、むしろ手を掴まれ押さえつけられてしまった。
ぬるりとキャプテンの舌が入ってきて、口の中を蹂躙する。






「ぷはぁっ、はぁっ、な!?何してんの!?大体っ、…なんでキャプテンに怒られないといけないのよ!?」



「…お前は…俺のもんだろ」


「は?いや、私は私のもんでしょ…」



「てめえって奴ァ…、ここまで言ってわかんねェのか…!!」


何を言ってるのか本気でわからず、聞き返すとそう怒鳴られる。



「えっ、え??」


「いいか?一度しか言わねェからな



トリシー、お前が好きだ。」



何時もに増して、真剣なキャプテンの瞳が私を貫いた。






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