這い上がれ!!俺達はヒーロー!!



宮崎先輩が去った部室は、静まり返っていた。
誰も何も言わなかった。いや、言えなかった。


「愛奈…」


一番最初に口を開いたのは跡部先輩。名前を呼ばれた高橋先輩は肩を震わせた。


「さっきのこの映像…嘘だよな。お前が日吉を嵌めたなんて嘘だよな、愛奈」

「……っ」


何も言おうとしない高橋先輩。
それはもう、肯定を表していた。


しばらくして高橋先輩は顔を上げた。
そして俺の方に向かって歩いてきた。


「わ、かし……」

「なんでしょうか」

「ごめ…なさい………!!」



高橋先輩の口からその言葉が出た瞬間、先輩達の顔は一気に青ざめ、絶望の底に落ちたように歪んでいた


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