「俺達のマネージャーになんてことを…」

『(私のカレーになんてことを…!!とか言ったらまた怒られるんだろうなぁ…)』


食堂につくと、志帆が立海の人たちに囲まれていた。
立海のマネージャーを守るようにして立つ幸村さんや真田さん。

そして…アホ面して立ってる志帆。
どーせくだらない事考えてんだろうな。

俺達は急いで食堂に入り、志帆に駆け寄る。


「ウチのマネージャーに何喧嘩売ってんだ、アーン?」

「先に喧嘩売ってきたのはそっちなんだけどな、跡部」

「何や志帆、また嵌められてしもたんか」

『はい、そうみたいです』

「それは、恵理子が嘘をついていると取っていいのかい?」

「当然だC〜」

「お前、何か言うことはないのか」



真田さんが志帆にそう問いかけた。



『…カレーのついたジャージ、早く洗濯しないとしみになると思います。
あと、カレー冷めちゃいますよ?』



氷帝陣とその他が小さく吹いた。
馬鹿だ。そう思っただろう。

そうなんだよ。

コイツは正真正銘の馬鹿だ。
だけど俺はコイツのこういうところが好きなんだよ。



「貴様の作ったものなど食えるか!!!」

『食べないと今後の練習に響きますよ』

「大体その時点でおかしいんですよ」

「どういうことだ…」


俺の言葉に幸村さんが反応する。
あんた達そんなことにも気づかないのか…



「志帆はマネージャーです。
そしてそこで泣き真似してる人もマネージャーです。
そもそも食事は分担して作るもののはずですよね。」


幸村さんの顔が少しきつくなった。


「つまり、このカレーは志帆だけが作ったんじゃない。
あなた達、自分の所のマネージャーが半分くらいは作った食事、食べられないんですか?」


こうは言ったものの、多分この食事は全て志帆が作ったんだろう。
志帆は途中で抜けたのに、立海のマネージャーは抜けないでチンタラ応援してたからな。

悪いな、志帆


「全員席について。恵理子は着替えてから食堂に。」

「でっでも、まだ用意終わってないよ?」

「いいんだよ恵理子は。
どーせこの食事だって恵理子が一人で作ったんだろ?
あとは如月さんにやらせよう」

「う、うん…
志帆ちゃん、ごめんね…?」



そう言って、立ち去っていった人物を今すぐ殴ってやりたかった。
志帆を見ると、その表情からは何も伺えなかった。









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