ガチ喧嘩


「志帆ちゃん…
何か理由があったんだよ…日吉が志帆ちゃんを裏切る訳ないだろ?」

『でも……、』


練習中、志帆ちゃんと日吉の姿が見えず、心配になって樺地と二人で探していた。

その途中、前から走ってきた志帆ちゃんとぶつかって、顔を見たら泣いていた。

志帆ちゃんが見つかったことを樺地に伝え、樺地は日吉を探すと言って電話を切った。



泣きじゃくる志帆ちゃんに理由を聞くと、日吉と中谷先輩がキスをしていたとの事。

しかも、日吉が無理矢理…
俺は多分、日吉が中谷先輩に嵌められたんだって思うけど、今の志帆ちゃんは軽くパニック状態だ。



どうしたらいいかな…

さっきも言ったとおり俺は日吉は何もやってない。
何でこんなに断言できるかって言うと、日吉には好きな子が、いるから…

いつもそばにいてその子に何もしないんだから、キスなんてできるわけない。
意外と奥手なんだよね、日吉って…




「如月!!!」

『ひ、ひよし……』


息を切らした日吉がいた。
珍しく汗かいて
多分志帆ちゃんの事探しに着たんだね。志帆ちゃんはおびえた…というか警戒してる感じ。



「鳳、如月と話させてくれ」

「…………嫌かな


君のせいで志帆ちゃんがどれだけ泣いたと思ってるの?

志帆ちゃんを守りたいんだろ!!?
泣き顔なんか見たくないんだろ!!?
傷ついて欲しくないんだろ!!?

何、ヘマしてんだよ日吉!!!!」


「何が言いたい……」


「好きな子をこんなに傷つけて飄々とここに現れて腹が立つって言ってるんだ!!

お前志帆ちゃんの事傷つけてばっかりじゃないか!!

恥ずかしいだのなんだの言って名前も呼べない!!手もつなげない!!触れないしまともに話も出来ない!!!!


悪いけど、そんな事ばっかりしてたら俺が志帆ちゃんの事貰うから
大切にするし、日吉みたいな扱いしない!!」

「お前マジいい加減にしろよ、鳳」




『ちょ、だめ!!日吉!!!』

志帆ちゃんの悲鳴が聞こえた。
日吉が俺を思いっきり殴ったからだ。

痛ってぇ……
本気で殴るなよ、大人気ない


「ホント、ムカつく…」



「この決着はまた後でつける。
今は如月と二人で話さしてくれ。

後、俺は何もやってないからな。覚えとけよクソ犬」

「何もやってない事くらいわかってるよ。
そっちこそ覚悟しとけよアホキノコ

じゃあね志帆ちゃん」









何がクソ犬だ。
キノコの分際で…

でも、日吉とガチで喧嘩したのなんて初めてだ。
ちょっと楽しかったかも…



じゃ、がんばれよ日吉。


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