裏切られたなんて信じたくない


「やめて若!!!離して!!!!」



中谷先輩の声が響く。中谷先輩が日吉を思いっきり突き飛ばした。
ていうか、二人…何してたの?


『ひ、よし…?何で中谷先輩と……キス、なんか』

「違う!!俺は…!!」

「志帆ちゃん…!!若が……強引に…!!」

「如月!!俺じゃない!!」


地面に蹲って泣いている中谷先輩と、無実と言い張る日吉…
だって、日吉と中谷先輩キス…してたじゃん……


『何が、違うの…?キス、してたじゃん…』

「だから俺は!!」


目元に熱が集中する。ポタポタと涙が垂れ、視界が歪む。



『日吉の馬鹿!!信じてたのに!!』


「如月!!!」









走った。落としたボトルも拾わずに走った。
目的地なんて決まってない。
ただ、日吉から離れたかった…。





『ひよしの、馬鹿…………』


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