いつだってあなたは笑っているから
私は部室裏の壁を思い切り叩いた。じんわり痛みが伝わってきたが、今の怒りに勝るものはなかった。
何でうまくいかないの…。どうしていつもいつも邪魔するの。
いつまで笑ってるの?何で傷つきましたって顔しないの?
なんで若達は私の味方になってくれないの!!?
ほとんどもう自己中心的な理由で私は志帆ちゃんを悪役にしていく。
最低な人間である事を承知していながら、自分の感情を抑える事が出来ない。
後ろの方で足音がした。振り向くと若だった。
いい事を思いついた。手っ取り早くこうしていれば良かったのか。
明らかにいやそうな顔をしている若を呼び、自分の前に立たせる。
「ねぇ、若」
「……なんでしょうか、中谷先輩」
「何で私の事信じてくれないの?」
「さぁ、何ででしょうね?あなたが一番よく知っているかと思いますが。」
生意気ね、本当に。でも、そんな口きいていられるのも今だけ…
若には駒になってもらうわ。
志帆ちゃんの情けない顔を見るための、ね?
私たちが今いるのは部室裏。
そこには水道があって、人ごみやうるさいところが嫌いな若はいつもここで水分補給をしたり、顔を洗ったりしている
まぁ、この情報も志帆ちゃんから聞いたんだけどね
後2、3分もすれば志帆ちゃんがドリンクを作りに来る。
「何もないんだったら、帰ってくれませんか?」
「いいの?そんなこと言ってて…」
「は?どういう意味で………んっ!!!」
強引に若にキスをする。
うっすら目を開けるといやそうな顔…
そんなに私とのキスがいやだった?
そう思ったと同時に後ろでボトルの落ちた音がする。
あぁ、志帆ちゃんだ…
それじゃあおこの辺で、作戦開始にしましょうか。
ね?
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