崩壊

「如月」

『はい、何ですか?』


私はシャワーを浴びて、制服に着替えて仕事をしていた。
仕事といってもほとんどを三人がやってくれていたので、何もすることがなく掃除をしている。

随分汚れてるなー、と思いながら棚を拭いていると、誰かが部室に入ってきた。


宍戸さんだ。



『どうしたんですか、怪我でもしたんですか?』

「…お前、長太郎に何吹き込みやがった」

『え?』


宍戸さんの顔は明らかに怒っていた。
どうやら、宍戸さんは長太郎が私側についているのが許せないらしい。
そりゃそうか。大事なパートナーだもんね…


「お前のせいで長太郎は…っ!!」


宍戸さんが殴る体制に入ったのを悟る。
きっと叫べばチョタ達が来てくれるだろう。

でも駄目。

宍戸さんやチョタをこんな関係にしたのは私だ。



目を閉じると頬に何かが当たる。
それと同時に来る痛み。
逆らう事も出来ず、床に倒れ込む。

初めて宍戸さんに殴られた


「俺はお前を一生許さないからな。」


そう言い残し部室から出ていった宍戸さん。



宍戸さん、ごめんなさい。傷つけてごめんなさい。

それでいい。それがいい。私を一生許さなくていい

だから、謝らせて下さい
私にはそれしか出来ないから…


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