彼等の望まぬ方へと






「あと半年って所か?」

「はい…」



俺の前世を唯一してるのはカズさん。カズさんは前世でも一緒に野球やってた先輩だ。
ある意味幼馴染…?いや、なんでもない。

カズさんには前世で本当に世話になった。
死のうとしていた俺を必死になって止めてくれたのはカズさんだけだったから。


「今度は俺、もう間違えたりしません。名前の幸せだけを願います。」

「いいのか、準太…。後悔だけの未来をまた迎えるつもりか?」

「いや…。俺にとっては名前のいない未来のほうがきっと辛い。」

「準太…。」



カズさんが困ったような顔をする。本当にスンマセン。
でも俺は前世で好き勝手やったから、今はもういいんですよ。


名前を失うくらいだったら、俺は自分を偽ってでもあいつを守ります。


それが、俺の未来と名前の未来を守る唯一の方法なんだから。