世界は繰り返す





『準太って好きな人いるの?』

「何だよ急に…」


俺と名前は幼馴染。生まれた時から…って言うか、生まれる前から俺はコイツを知っている。

俺には所謂“前世の記憶”なるものがあって、前世から俺と名前は幼馴染だったって訳。
ま、この前世の記憶も思い出したのは中1になってから。この桐青に俺が入学したと同時に思い出した。


とりあえず、名前が今聞いた質問に答えることにする。


「さぁな」

『何それ!!』

「なんだよ名前はいんのかよ」

『さぁね』



と言っても、俺は知っている。コイツに好きな奴がいる事。そしてそれが俺ではないこと。

全部知ってる。だからこそ俺はお前を好きだなんて言えないんだよ…。
言ったらまた、あの世界を繰り返す事になるって事、俺は知ってるから。