「じゃあ、夢に出てきたのは名字だったのか…」
『夢?』
「いや、…」
先日見た夢、あの夢で俺が絶対に会いに行くといった相手は名字だった。
あのあと名字に詳しく聞くと、引越しをするときにどうしても離れたくなかった子が居たらしい。
まぁ、俺なんだけど
で、どうしても写真を撮りたいといって撮ったのがこれ
多分すぐに現像して俺にも渡してくれたんだと思う。
「じゃあ、名字と源田は幼馴染ってことか…」
「そうなるな」
『でも、不思議だね
幼馴染で写真撮るほど仲良かったのに忘れちゃうなんて』
「しかも幼馴染は生徒会長」
『私源田君の事なんて呼んでたっけ?』
「“こうちゃん”じゃなかったか?」
『あっ、そうかも!!』
「俺は名字の事“名前”って呼んでたな」
『そうそう!!』
「じゃあ、源田の初恋は名字?」
「ばっ!!んなわけねぇだろ!!」
『そこまで否定されると傷つくなぁ
こうちゃん?』
「お前ら…」
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