一段階アップ



―会長へ―

この間はすみませんでした。
俺は転校することにしました。
今までありがとうございました。




たった三行だった。
それだけ書いてあった。









「………じゃあ、こいつはもういないのか…」

『うん、そういうことになる…』


「後悔してるか?」

『していないって言ったら嘘になるけど、もしあれで山下にもっといい出会いがあればいいなって思うよ。』


「そっか…
お前はいいのか?」

『ん、何が?』

「素敵な出会いを探さなくて」


『うん、多分幸次郎よりもいい出会いってなさそうだもん』


「ハハッ、そうだな」



そう言って幸次郎は頭をなでてくれた。
幼馴染だったこと。
あんな偶然で幸次郎に再開したこと。


幸次郎と恋人になれたこと。
ホント、これ以上の出会いなんて私にはないよ。





「名前、愛してる」

『私も、幸次郎愛してる』





きっとこの後もずっと私たちは一緒にいるんだろう。
手を繋いで前に進んでいくんだろう。




私は幸次郎が大好きです。
これからも、ずっとよろしくお願いします。






*END*



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