12年分の気持ち


名前が指差したのは観覧車。


観覧車って…カップルみたいじゃねぇか!!!
いや、そうなりたいとは思うんだけどな…

簡単にはいかねぇんだよ。



名前の提案を断る事もできず、観覧車に乗るために列に並んだ。
やっべ、緊張する…


だってあの狭い空間で二人きりだろ?
話続くか?



そんなことを延々考えていたら順番が来た。



「では、次カップルさんどうぞ〜」



カップルじゃねぇええええ!!!
でも、悪くないな。



ゴンドラの中で、俺の向かい側に座った名前は楽しそうに外を見ていた。



『カップルさんだって〜』

「あぁ」


『いつかそうなれたらいいね』

「あぁ…………………え?」


『私、幸次郎の事好きだよ』



俺今変な顔してるな。
景色を見るのをやめて名前が俺の隣に座った。


『ごめんね、急に
でも、言いたくなっちゃったんだ』


「俺も………」


『ん?』

「俺も名前が好きだ」


そう言いながら隣の名前を抱き寄せた。

そしたら名前も腕をまわしてくれた。











やっと言えた。
12年分の気持ちが全部。








「名前が好きだ」


















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