キングオブ鈍感がもう一人


「失礼します」

『あ、待ってたよ山下』


「遅くなってすみません会長」

『いいよいいよ
じゃあ早速この資料頼んでいい?』

「はい」


二人で黙々と書類を仕上げる。
なんとなく山下、落ち着き無いな…

どうしたんだろう…


『何かあったの山下』

「…………えっ、

あぁ、いえ…何でもないんです…ただ、」

『ただ?』


「………会長!!」

『え、何?』

「あの…源田先輩と付き合ってるって本当ですか?」


顔を真っ赤にしてうつむいた山下
あれ、コレはまさか…





山下は、幸次郎が好き…?
えぇぇえっ!!
い、いいのかな…

でもそういう愛の形もあるし…
先輩として、何を言ったらいいんだろうか


『うん本当だよ』




いい言葉なんか思い付かなかったから
嘘をつかずに返事をした。






.

26/35
<< >>