ちびぷり
2011/05/26 22:02

ちびぷり。


「仁王、朝だよ」
「……ふぁ?ゆきむら?」
「うん。おはよう、仁王」
「んー…おはよう。…ふぁぁ」


ぐしぐしと目を擦る仁王に幸村はふっと笑って、手鏡を差し出す。


「?…なんじゃー、これ」
「良いから見てみなよ」


数秒後、手鏡を覗いた仁王の絶叫が響いた。
……プラス、幸村の笑い声も。


+++++++


今、大広間にはこの合宿に参加している全員が揃っている。
その表情は様々だ。
楽しげに微笑んでいる者、顔を青ざめさせている者、…エトセトラ、エトセトラ。その様子はまさに十人十色。
共通しているのは、その視線の先にはある特定のメンバーがいることだ。
そのメンバーとは、
青学の海堂
氷帝の跡部、宍戸、向日
立海の真田、仁王
不動峰の神尾、伊武
四天宝寺の白石、忍足、一氏
比嘉の甲斐、平古場。
総勢13人。
この13人に、朝起きた時に信じられない変化が起こっていたのだ。


「……とりあえず、なんでおれさまたちが、こんなすがたになったのか、げんいんをしっているやつは、いるか?」


いつもよりも高い、いわゆるボーイソプラノと言うのがぴったりな声で言ったのは、跡部。
その姿は5、6歳程の美少年だ。

そう、上記の13人。下は3歳程、上は6歳程の子供の姿になってしまっていたのだ。
ちなみに、服はサイズぴったりの物を着ている。何故か各部屋に数日分の子供服が置いてあった。

ふと、幸村が眉をひそめた。傍にいた不二や芥川も、しかり。


「ねえ、跡部。なんで俺達を見ながらいうのかな?」
「……いや、おまえたちならできそうなきがしてな」
「フフ、まあ、やろうと思えば出来るかもね。…ねぇ、不二、芥川」
「Aー。まあ、やろうと思えば出来るC〜」
「うん。やろうと思えば、ね」
「ほらな」


脱力したふうに跡部がため息をつく。
そこに、小さくなった白石を抱きしめていた千歳が口をはさんだ。


「そこの3人ができるんなら蔵もできるんじゃなか?」




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