2011/05/26 21:51 朝。いつもの時間。馴染みのメイドが俺を起こしに来た。 「ルーク様、おはようございます」 「・・・・・・おはよう」 まだ、ぼうとする頭を軽く振って、伸びをする。はて。さっきまで見ていた夢はなんだったか。忘れたくないことだった気がする。 (違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う俺は違う私は、ルークじゃ、ない!!!) そして、今日も一日が始まる。いつも通りの、つまらない一日が。 (嫌だよ、助けて、●●●●) ああ、そういや今日はヴァン先生が来る日だったっけ。 楽しみだ。 (わたしにきづいて) ―――― ――ないてる。 誰が、です、か? ――おれの、たいせつな、なかまが。 にぃにの? ――そう。たいせつな、おれの、なかま。 兄弟、ですか? ――ちがう。でも、たいせつななかまなんだ。 にぃにの、群れの仲間、ですか? ――…まぁ、そんなかんじかな。 その人が、泣いてる、ですか? ――うん。そんなきがするんだ。それに、あいつ、つよがりだから、きっとひとりでないてる。 ・・・にぃに、寂しい、ですか? ――まあ、うん。 会いたい、ですか? ――うん。でも、 会いに行く、です。 ――え。 寂しいなら、会いに行くです。 ――でも、しごとは? それに、ひとり、で泣かせちゃ、いけないです。 ――・・・そう、だよな。だけど、 その人、どこにいるです、か? ――・・・・・・わからないんだ ―――― 「勘兄ーっ、休憩しようぜー!」 「あ、うん。今行くーっ」 吹き出る額の汗を、シャツの袖で拭い、振り返る。畑を挟んで向こう側の土手に、綺麗に焼けた小麦色の肌の少年がぶんぶんと腕を振っていた。それに、軽く手を振り返して、持っていた鍬を肩に担いだ。 俺が、この村に来てから、もう三年程経つだろうか。随分、この村に馴染んできた。そう思う。自分の名前以外何も覚えていなかった俺を拾ってくれた村長にはとても感謝している。 |