「新たな仲間」




 今日新たに『ベテルギウス』に仲間が加わった。

 今日も今日とてリフィネは寝坊かな、と家を出ると、家の前にソイツはいた。
 ニコリと笑って丁寧に挨拶と自己紹介をしてから、「救助隊に加えてもらえませんか?」と言ったのだ。一体なんだと思った。

 詳細も……まぁ、念のために書いておこう。
 種族はフライゴン。名前は翡翠(ひすいという。俺と同じ漢字を使ってることに疑問をおぼえたのだが、コチラの世界でも漢字の名前は普通にいるらしい。

 性格はまぁ、1日で分かるわけがないのだが、大体は分かった。
 まず大人しい。そして礼儀正しく、バトル経験は豊富のようで中々に強い。あと……リフィネのフォローがとんでもなく上手かった。紳士だ。あれ、何を書いてんだ俺。
 とにかく欠点があまり見つからない奴だ。

 とりあえず話を元に戻そう。
 それからリフィネが来て、いいかどうかを聞くと考えもせずに「仲間が増えるのは大歓迎!」と言った。少しは考えろ。だからお前は馬鹿なんだ。

 とにかく翡翠が仲間に加わり、『ベテルギウス』は4匹になった。
 フェクにはまた今度 紹介しようと思う。おそらく仲良くできるだろ。ていうか翡翠なら誰でも仲良くなれそうだ。

 何か俺らみたいな新米の救助隊にいていいのか、と思うくらいいい奴で、できる奴である。ていうかなんで『ベテルギウス』に入ろうなんて思ったのだろうか。
 本人に聞いてみたが、うまくはぐらかされてしまった。何かあるよな、絶対。
 でも誰にも話したくないことは誰にでも1つや2つある。だから無理に聞くことはやめておいた。俺が人間だってことも言ってないし。

 今日は翡翠がいてくれたおかげで随分とダンジョンを進むのが楽だった。
 しかしリフィネが相変わらず手におえない。ていうか自分で自分の馬鹿さを自覚していないのだろうか。
 何でか寝ている敵に構わず攻撃。放っておけばいいものの。ピンチになって翡翠がフォローを入れてくれた。翡翠は出来すぎた奴である。

 しかし今 思ったのだが、フォローを入れるからリフィネがいつになっても成長しないのではないだろうか。
 一度 痛い目を見たらリフィネも学習する……気がする。
 しかし翡翠は優しい奴なので、これからもフォローを入れ続けるだろう。何か悲しくなってきた。ごめん、翡翠。

 明日は翡翠もフェクも連れて行こう。そんなことを思いながら今日の日記は終了する。


追記
 ……何か毎日 追記を書いている気がする。
 今日は地震があった。そのせいでおきてしまったのだが、夢を見た。
 今回の夢は俺と……また、女の子と話している夢だった。少しだけ、見えた。長い、綺麗な黒髪が。
 はっきり顔は見えなかったけど、俺に笑いかけている彼女が。

 とても大切な、存在だった。
 なのに名前さえ、思い出せないけど。





 

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