スケール22 vsマーメイル
ユートの防戦一方なターンが続く。


「私は魔法カード《大波小波》を発動!自分フィールド上に表側表示で存在する水属性モンスターを全て破壊します」

「自分のカードを全て破壊だと!?」

「その後、破壊した数と同じ数まで手札から水属性モンスターを特殊召喚する事ができます」

「なっ!?」

「レベル4《水精鱗マーメイル−アビスタージ》にレベル3《フィッシュボーグ−アーチャー》をチューニング!シンクロ召喚!レベル7《白闘気一角》!」

「一体何をする気だ!」

「《白闘気一角》のモンスター効果を発動します!このカードがシンクロ召喚に成功した時、自分の墓地の魚族モンスター1体を対象として発動できます。そのモンスターを特殊召喚!もちろん私が宣言するのは《超古深海王シーラカンス》!」

「まさか、また効果を使う気か!?」

「その通りです。手札を一枚捨てて、《超古深海王シーラカンス》のモンスター効果を発動!デッキからレベル4以下の魚族モンスターを可能な限り特殊召喚します。この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃宣言できず、効果は無効化されますが問題ありませんね。さあ、まだまだ行きますよ!」


女性のフィールドは瞬く間に魚たちで埋まっていく。ユートは戦慄する。まだ蓮の使用する《白闘気》の輪廻シンクロは目に焼き付いて離れないというのに、あのデュエルログを持ち帰り技術部の人間たちに渡してからまだ数時間もたっていないはずだ。なのに、目の前の女性は使いこなしている。しかも、以前の動画で使用していたデッキは高いレベルの《水精鱗》によるハイビートだったはずだ。明らかにこのカードのためにデッキ構築を変えている。この女性に搭載されたAIは普通のAIではなさそうだ。それはもう、かつてユートや遊矢が何度も目にした城前の前任者のような……。


『へーえ、それだけ大事なんだね』

「そう、みたいだな」

「私は《水精鱗−アビスマンダー》《フィッシュボーグ−アーチャー》を蘇生させます。レベル4《水精鱗−アビスマンダー》にレベル3《フィッシュボーグ−アーチャー》をチューニング!シンクロ召喚!レベル7《氷結界の龍グングニール》!!モンスター効果を発動します!1ターンに1度、手札を2枚まで墓地へ捨て、
捨てた数だけ相手フィールド上のカードを選択して選択したカードを破壊します。もちろん私は2枚捨てますね。さあ、そのたくさん伏せられたカードのうち、どれを破壊しましょうか。伏せカードは私から見て左、そしてセットモンスターを破壊してもらいましょうか」

「ぐっ……」

「あら、罠モンスター?外れかしら。これで終わりです!私は《白闘気一角》、《超古深海王シーラカンス》、《氷結界の竜 グングニール》でダイレクトアタック!」

「私は永続罠《幻影騎士団ダーク・ガントレット》を発動、まずはデッキから「ファントム」魔法・罠カード1枚を墓地へ送る。私が選択したのは《幻影騎士団シャドーベイル》。次に自分フィールドにカードが存在しない場合、相手モンスターの直接攻撃宣言時に墓地で発動できる。このカードは戦士族、闇属性、レベル4、攻撃力300、守備力600の効果モンスターとなり、モンスターゾーンに守備表示で特殊召喚する。さらに墓地の通常罠《幻影騎士団シャドーベイル》の効果を発動!このカードが墓地に存在する場合、相手の直接攻撃宣言時に発動できる。このカードは戦士族、闇属性、レベル4、攻撃力0、守備力300の通常モンスターとなり、モンスターゾーンに守備表示で特殊召喚する!」

「なら、攻撃するだけです」

「そうはいくか!手札から《バトルフェーダー》を特殊召喚し、このバトルフェイズを終了する!」

「あら、外してしまいましたね。なら私はターンを終了します」


かろうじて防ぎ切った攻撃である。ユートはドローを宣言した。このドローにすべてがかかっているのだ。無意識のうちに力が入ってしまう。


「私のターン、ドロー!」


ちら、と視線を走らせたユートは真っ直ぐにまえをみすえた。


「私はレベル4《幻影騎士団ダーク・ガントレット》にレベル4《幻影騎士団シャドーベイル》をチューニング!エクシーズ召喚!ランク4《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》!モンスター効果を発動だ!エクシーズユニットを2枚取り除くことで相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力を半分にし、その数値分このカードの攻撃力をアップする。対象は《氷結界の竜 グングニール》だ」

「あら、《白闘気一角》ではなくて?なにをする気なのかしら」

「見ていればわかる。速攻魔法《RUM−幻影騎士団ラウンチ》を発動させてもらうからな!」

「ここで、ですか」

「ああ。自分・相手のメインフェイズに、自分フィールドのエクシーズユニットの無い闇属性エクシーズモンスター1体を対象として発動できる。その自分のモンスターよりランクが1つ高い闇属性エクシーズモンスター1体を、対象のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚し、このカードを下に重ねてエクシーズユニットとする」

「……ランクアップマジック」

「私は《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》1体でランクアップエクシーズチェンジ! ランク5 《ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴン》 !!」


ユートのフィールドに高らかな咆哮が響き渡る。夕暮れの空を二分する光の先で、真っ黒なドラゴンが舞い降りた。


「このカードが《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》をエクシーズユニットとしている場合、以下の効果を得ることができる。まずは第1の効果だ。1ターンに1度、このカードのエクシーズユニットを1つ取り除き、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力を0にし、その元々の攻撃力分このカードの攻撃力をアップする」

「まさか、さっき宣言しなかったのは」

「その通り、今、効果の対象にするためだ。《白闘気一角》の攻撃力を0にし、その攻撃力分上昇させる!」


地を裂くような轟音が響いた。一角獣は力を奪われ、どんどん体が小さくなっていく。逆にドラゴンは空一面を覆わんばかりに翼を広げた。


「《ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴン》の攻撃力は6000となる!さあ、バトルだ!《白闘志一角》 へ攻撃!」



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