スケール24 因縁の傍らで
「その前にこちらを見ていただけますか?」

イブに促されるがまま、その横に鎮座しているモニタを確認した城前は、目を奪われた。そこには榊遊矢と赤馬零児が対峙している。なにか言いあっているようだが、カメラの位置が悪いのか、接続不良なのか、音声が聞こえない。

「音が入ってねえみたいだけどこれでいいのかよ?」

「ええ、これでいいのです。城前克己、貴方に見ていただきたいのは、彼らのデュエルです」

「デュエル?」

「ええ、素良と約束しているのでしょう?榊遊矢と赤馬零児の決闘を冒頭から最後まで見せてあげると。私の話はその後でかまいませんので」

「へえ、ずいぶんと好待遇なんだな。ま、お言葉に甘えて観戦させてもらうけどよ」

その真意はなんだ、と訝しげな視線を投げるが、仮面の向こうからは微笑しか分からない。肩をすくめた城前はモニタを注視する。

「ねえねえ、城前」

「あ?なんだよ」

「城前って榊遊矢のデッキ使ってたんでしょ?じゃあ、赤馬零児のデッキは?」

「DDか?使ったことはねえけどよく知ってるさ。おれのいた環境じゃ、EMが覇権を握ってたけど、DDが次点の強さだったしな。大会じゃよくぶつかったし、使ってる奴も多かったよ」

「へえ、そうなんだ。どんなデッキなの?」

「素良、お前な、1ヶ月も下で働いてた癖に知らねえのかよ」

「ちっがうよ、心外だなあ。城前の知ってるテーマと合ってるかどうか確認してあげるっていってるの」

「あ、そういうことか。ならそう言えよ、ややこしいな」

城前は1年前の記憶をたぐり寄せながら話し始めた。赤馬零児の使用するテーマであるDDおよびDDDは、属するモンスターがすべて悪魔族で統一されているテーマカテゴリである。城前の知るそれは、《ディファレント・ディメンション・デーモン》の略称だったが、デーモンには悪魔のほかにも守護者という意味があることから、そちらの意味も掛けてあるといわれていた。ただ、もっぱら使い手はディーディーディと呼んでいたため、正式名称を使う人間はほとんどいなかった。

DDは闇属性悪魔族モンスターで統一されており、そのテーマは企業。ただ健全な運営で知られる暗黒界とは対照的にこの運営者である悪魔族はなかなかにブラックな運営をしていることが魔法や罠カードから察せられる。

DDDはモンスター名には《DDDの〜王〜》という共通点があり、主に3つの法則がある。まずは伝説上、あるいは実在の王、皇帝、英雄をモチーフとし、後半は一単語であるもの。つぎは会社の役名と掛詞になっており、後半部が神話上の事件を、モチーフにしているもの。最後は融合素材の名前をまぜたもの。EMと同じく、ひとつのテーマカテゴリで、シンクロ、融合、エクシーズ、ペンデュラム召喚をすべて内包している数少ないテーマだった。異次元をテーマとするデッキだからだろう、と城前は踏んでいる。この世界では違うものの、アニメは4つの次元が舞台となるストーリーだったから。

「悪魔族のモンスターとサポートの契約書で構成されたビートダウンデッキだろ。契約書でDDをサーチして、ペンデュラムと特殊召喚効果で大量展開でフィールドを制圧するタイプのデッキでさ、能動的に動けないのが唯一の欠点だったな。まあ、うまい奴が使うと全然関係ないんだけど」

「赤馬零児みたいに?」

「みたいにな。ダメージを受けるなんてデメリットにならねえっつーの、コスト踏み倒すなよ。なんつうブラック企業だ。暗黒界を見習え、暗黒界を」

「さすがはライロ使い、暗黒界びいき」

「だってあいつらいい奴じゃん」

「まーね」

20年後の世界でアクションデュエルを普及させるためにアクションデュエル用にリメイクされたライトロードと暗黒界、コアキメイルの物語は双子の妹と見に行った大好きな演目だった。それを思い出したのか素良はどこか懐かしそうだ。もちろん城前はそんなこと知らないので、カードテキストや海外サイトで公開されていた裏設定を知っているなんて、なんてコアな奴だと感心する。よくわかってんじゃん、と城前は笑った。

「おれの世界だとだいたい《地獄門の契約書》で状況に合わせたDDをサーチして展開してたな、たしか。《外神ナイアルラ》とか《外神アザトート》とか《クリムゾン・ブレーダー》で封殺しねえと圧殺されっから怖いんだよ。《DDスワラル・スライム》はまじでやなカードだったぜ。墓地肥やしと展開両立すんじゃねーっての」

話し始めると意外と思い出すことも多いものである。《DDD烈火王テムジン》が融合された瞬間、それぞれえの特殊召喚が連続して行われ、あっという間に大量展開につながっていく悪夢は何度も見たと苦い顔をする。《DDスワラル・スライム》は下準備なしで《DDD烈火王テムジン》と2体の下級DDモンスターを並べるものだからある意味トラウマだと。展開を許したが最後、《DDD死偉王アーマゲドン》や《DDD剋竜王ベオウルフ》を絡めたワンショットを決められてしまう。EMみたいなペンデュラム特化じゃないだけまだ対処しやすいが、EMと同じ時期に生まれたテーマだけ合って強いことしか書いてない、デメリットどこだ、なテキストが目立つと。

「どーやって突破したの?」

「墓地が肥えてなきゃ本来の力が発揮できねえのは墓地効果モンスターが多いテーマの宿命だからなあ、先行とって封殺するかペンデュラムの物量で押し切るかって感じ?回る前に契約書を割るとか特殊召喚を多様すっからメタをはるとか。ま、思いつくのはいくらだって思いつくんだよ。そんなことできる手札かどーかはまた別問題でさあ!」

はあ、と城前はためいきをついた。城前の環境では《闇の誘惑》の緩和や《強欲で貪欲な壺》の登場で環境に躍り出たところだったという。

「おれの世界だとよく《DDD呪血王サイフリート》と《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》、《No.38希望魅竜タイタニック・ギャラクシー》ぶったてられることがよくあったぜ」

「なにその布陣。地獄絵図じゃん」

「だから《DDD烈火王テムジン》直後の特殊召喚に《ヴェーラー》うつんだよ。それでも上手い相手だとケアされちまって止まらないけど」

遠い目をしている城前に、素良は無言で背中を叩いた。城前とデュエルしたとき、どこが手札悪いだよ!と思わず叫んだことがあったのだが、きっと城前の環境だとあれだけモンスターを並べても負けるときは負けたのだきっと。恐るべき高速環境である。誰でもカードを使うことができる理想郷は素良の想像を絶する高速環境の地獄絵図なのは間違いなさそうだった。

「じゃあ見てみよっか、答え合わせ答え合わせ」

素良の言葉を待っていたかのように、音声を一切遮断された状態で二人のデュエルは開始された。

「アクション・デュエルじゃねーのか、意外だな」

「そう?赤馬社長って榊遊矢を敵視してるじゃん。わざわざ相手の得意なフィールドで戦う必要なくない?」

「得意な、ねえ?どっちもペンデュラムから来る多彩な特殊召喚がうりのテーマなのにか?まあ、スタンディング・デュエルのほうが音声なし見てる方としてはありがたいけどよ」

遊矢が先行のようだ。もはや積み込みと化している《ミラージュ・ドラゴン》と《ファントム・ドラゴン》がセッティングされ、ペンデュラム召喚が行われた。残りの手札を3枚使い切り、守備表示でお互いの守備力を補強し合うずいぶんと慎重なプレイングが展開された。

「手札事故じゃね、これ」

「これしかできなかったって感じ?」

「なんか白熱してるな」

「気になるね」

「・・・・・・やっぱ使ってきたか、ペンデュラム」

「ボクに試作品をくれるくらいだしね。城前や榊遊矢がペンデュラムを使いまくってたから、やっと使い方がわかった感じじゃないかな。赤馬社長がペンデュラム使うの初めて見るよ」

「二人だけだから、じゃなくてか?」

「んー、それは無いと思うよ」

「なんで」

「赤馬社長、この監視カメラに気づいてるし」

「まじか」

「ボクだったら隠すね、ペンデュラムつかえること。でも解禁した。天敵の榊遊矢相手だから我慢できなかったってのもあるかもしれないけどさ、この激情っぷりをみてると。ただ見せつけてる感あるんだよね」

「へえ、どのへんが?」

「見てれば分かるよ」

赤馬社長も《DD・カウント・サーベイヤー》、《DDスケール・サーベイヤー》というペンデュラムモンスターをセッティングし、ペンデュラム召喚を試みる。いずれも城前の知らないカードである。そこから繰り出されたDDDモンスターもまた、知らないものだった。《DDD超視王ゼロ・マスクウェル》は巨大なスコープのようなモンスターだった。どうやらこちらの世界の赤馬零児は悪魔ではなく機械よりのデザインをしたDDあるいはDDDを使用するらしい。相手の複数のモンスターを1体とすることで守備力と攻撃力を合計の数値とし、さらにバトルフェイズに守備力をOにして貫通効果を与えるというむちゃくちゃな効果のオンパレードである。城前はうげえという顔をする。

「えっぐい効果してやがる。殺意半端ないな、フィールドに5体モンスターいても《地砕き》とか《地割れ》で一掃できる効果じゃねーか。あー、でもたしかにな。DDならもっと展開ねらえるのに、わざわざバトルフェイズに移行したってことは、デュエルを速攻で終わらせる気だ」

「そういうこと」

よくできました、と素良はうなずく。城前は思考する。《DDD超視王ゼロ・マスクウェル》の効果は面白いが貫通効果ならすでに《ベオウルフ》がいる。レベル8ならばエクシーズ素材としてさらなる展開を期待できるがこいつはレベル7だ。攻撃力ならすでにDDDは足りている印象だが、もしかしたら城前が知っているカードを赤馬社長は所持していないのかもしれない。あるいは本気で終わらせにかかるために次を考えなかったかのいずれかだ。いずれにしろ貫通効果を生かすなら守備表示にする効果がほしくなる。そういった魔法、罠を積んでいる可能性がある。そして、終わらせにかかっているのなら、きっと遊矢の次の手を封殺する効果があるはずだ、ペンデュラム効果に。

城前の視線がペンデュラムスケールにあることを確認したイブは、満足げに笑みを深くしている。それに気づくこともなく、城前は目前のデュエルを熱心に見入っていた。

「ペンデュラムスケールを0にか、ペンデュラム召喚できねーな。ペンデュラム効果でフィールドに特殊召喚できる条件も整ってねえし、本気で終わらせにかかってるな、赤馬社長。相手の次の手を全然考えてねえ」

「なんで?」

「EMは自力でペンデュラムスケールを張り替えられるからな。デュエルをする気ならそこんとこ絶対考慮するはずだ。相手の次の手を読んでケアすんのは基本中の基本だぜ、それすら考えてねえってことはあの伏せカードもカウンターかなんかだ、きっと」

「うっわ、そうなんだ。怖。城前ならどうする?」

「おれか?おれならペンデュラム張り替えて、もっかいペンデュラムを試みるかな」

「残念、榊遊矢は違うんだ」

「へえ」

遊矢の姿が変わる。そこに居たのはユートだった。

「遊矢たちってもしかして対応する特殊召喚は交代しねえとできねえのか?」

「さあ?でもエクストラは違うよね、きっと」

「まさか全部のテーマごりゃまぜにしてんのかね?SR駆使すりゃ以外となんとかなるけど、それなしだと回る気がしねえわ、おれ。チェンジしてからデッキが変わってんのかと思ってたけど、どーなんだ?わかんなくなってきた」

「さすがに自分用はもってるでしょ。まぜこぜにしてるのもあるんじゃない?今回は赤馬社長が挑みに来てるわけだし、いろんな特殊召喚駆使するのはわかってるでしょ」

「それもそうか。おれとデュエルしたとき、あんなカードみたことねーしな。やっぱデッキ変えてんだな、遊矢」

雑談を止めたのは、ユートが使った魔法カードだった。《ペンデュラム・エクシーズ》という魔法カードは、ペンデュラムスケールにあるモンスターでエクシーズをするという効果である。やっべえほしい、と城前は口走る。これはぜひともデータを持ってかえって、ワンキル館で再現してもらわなければ!食いついた城前に素良は笑う。やっぱこれ、1つのデッキをかえてねーわと一瞬で結論づけたからだ。ユートがエクシーズしたのは《ダーク・アンセリオン・ドラゴン》。ランク7のエクシーズモンスターは幻影騎士団ではギミックを入れないとエクシーズ召喚することすらできないだろう。つまりユートが使用したこのカードは遊矢のデッキであり、今、ユートは遊矢のデッキを使っていると言うことだ。素良のいうとおり、今回はすべての召喚に対応したおもてなしのデッキなのだろう。もしかしたら、《エクシーズ・ドラゴン》に重ねてエクシーズ召喚することもできる、なんて一文があるのかもしれない。相手の攻撃力を半減させて吸収、ライフ回復、ターン終了まで破壊されない、なんて効果のインチキ効果のオンパレードである。こっちの世界のユートの切り札はきっとあのモンスターなのだ。

赤馬社長とユートの攻防が加速する。ペンデュラムモンスターは破壊しても次のターンで復活するのだ、《DDD超視王ゼロ・マクスウェル》にかなり苦戦しているように思われる。これはもうワンショットをきめるか、あのペンデュラムモンスターを破壊するかしか手はない。そして、次はユーリが現れた。

「うげ、ユーリだ」

「あはは、不機嫌だったユーリにマジギレされたんだっけか?」

「それ半分以上城前のせいだからね?城前がペンデュラムとかやりまくった上に、オッドアイズシリーズお披露目なんて特大の地雷踏み抜くから−!ボクの印象薄くなっちゃったじゃないか、どうしてくれるんだよ!」

「んなのしるかよ、喧嘩ふっかけてきたのはあっちだぜ。それにおれはワンキル館の指示に従っただけだしな、かんけいねーよ」

「それはそうなんだけどさー!ちょっとは時期を考えてよ、時期を!」

「知るか」

「むー」

ふたりの言い合いをよそに、デュエルは進んでいく。今度は墓地にあるペンデュラム・モンスターを融合素材とすることで、融合・ペンデュラム・モンスターが誕生した。《ダウジング・フュージョン》の魔法カードに城前はすっげえとつぶやいた。

「エクシーズは素材なくなったら効果つかえねえけど、シンクロと融合はちがうかんな。毎ターン復活しやがるからな。まじでやばいぞ、融合ペンデュラム。つーか、こいつらペンデュラム使えるのかよ。ならさっさとみせやがれってんだ、くそう」

「城前に見せたらワンキル館に筒抜けだから仕方なくない?」

「レオ・コーポレーションのソリッドビジョンシステム使ってる以上筒抜けなんだよ、隠すなっての」

「未確認のカードはエネルギーとかしか観測できなくない?」

「まーな、だからおれが確認しないといけねーんだけど」

「じゃあ、今回の戦果はボクのおかげだね」

「そーいうことになるな、サンキュー素良」

「どーいたしまして」

「ふむ、たしかにペンデュラム・シンクロは脅威だったよ。ユーゴのエースは強かった」

「ちょっと待て、マジかよ。蓮さんだっけ?もうユーゴとデュエルしたのかよ」

「ああ、ライディングデュエルのよしみでね」

「まじかー!その口ぶりから察するにペンデュラム・シンクロ・モンスターだったんだろ!?やっべえ、すっげえみてえ!なあ、そっちの映像は残ってねえの?!」

「残念ながらちょっと残ってないね」

「えー、まじで。それならさ、せめてモンスターの名前と効果教えてくれよ!何レベルかとか!」

「ああ、イブの話が終わればいくらでも」

「よっしゃ、言質とった!蓮さん、約束な!忘れないでくれよ!」

「もちろん」

「つーことは、これで遊矢たちのエースはそろい踏みってことか。総力戦だな」

姿形はアニメとよく似ているが、名前にモンスターの召喚方法が入っておらず、ステータスとレベルが一緒なのが特徴のようだ。

そして、ユーリの新たな切り札は、《スターヴ・ヴェネミー・ドラゴン》。効果はフィールドのモンスターの効果を無効にし、その効果を得ること。そして攻撃力を500下げ、500のバーンダメージ。これで終幕かと思いきや、多彩な特殊召喚に次第に楽しくなってきたのか、赤馬社長が笑った。気持ちはわかる、と城前は思う。これだけ総力戦となればテンションがあがるのは当然だ。そして、《DDD超視王ゼロ・マスクウェル》をリリースし、《DDD運命王ゼロ・ラプラス》というモンスターが特殊召喚された。攻撃力は0だが、バトルフェイズに相手モンスターの攻撃録の倍の数値になり貫通効果をもっているらしい。やられた二体はエクストラデッキではなく、スケールにセットされた。なるほど、わざわざ張り替えなかったのはこのためか。しかし、すぐスケールは0にされてしまう。かなり肉薄されたデュエルといえた。

そして、ユーリの次はふたたび遊矢が現れる。あれ、ユーゴは?と疑問符を飛ばす城前に、蓮がかなりライディングデュエルで無茶をしたから休んでいるのかもしれないと教えてくれた。まじかよ事故ったのかよユーゴ、と脳内デュエルだと知らない城前はどこかの元キングを空目した。

遊矢は新たな切り札を特殊召喚した。エクストラデッキにオッドアイズが存在する場合、スケールに関係なく特殊召喚できるペンデュラムモンスター、《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》である。相手モンスターの攻撃力をエクストラデッキの表側ペンデュラムモンスター1枚につき1000ポイント下げる効果がある。えげつねえ、と城前は苦笑いする。EMはペンデュラムモンスターに特化することが可能なテーマカテゴリだ。本気を出したら0にすることだって容易だろう。これはとどめに使うべきエースだ。

「スケール0のモンスターか、面白い効果もってんなあ。オーバースケールっつーから、レベル12以上を呼び出すかと思ったけど、逆か」

「あれ、あんまり驚かないね、城前」

「いやだって、さすがにどんなレベルのモンスターでも呼び出すってなら、それただの大量特殊召喚じゃねーかってなるけど、結構条件きついし。ランク0のエクシーズとかあるし」

「え、そんなんあるの?」

「ほんとほんと。ちょっと出し方が特殊だけどな」

「へー、そうなんだ」

「よかった、スケール0なだけでレベルは0じゃねーんだな。レベルは8なんだな?よし、ナイアルアザトートでなんとかなる。あぶねえ」

「《外神アザトート》《外神ナイアルラ》の布陣またやる気?城前ってほんとワンショット好きだね」

「伊達にワンキル館の広告塔してねーからな、はっはっは。つーかここまでフリーチェーンの効果ばっかかんべんしてくれよ、シラユキ過労死しちまうじゃねーか」

「かわいいくせに効果可愛くないから休んだらいいと思うよ」

「謝れ、過去最強の防御札手に入れたライロに謝れ!禁止制限なくて過去最高の戦力なのに環境にはいれねーんだぞ、おかしいだろ!インフレすぎんだよ、もー!」

「城前の世界のこと話されてもボクしらなーい」

「しっかし、遊矢と結構デュエルしたつもりだったけど、やっぱ個人が持ってるデッキとチーム戦で使うデッキは違うよな−。おれもあのデッキとデュエルしてみてー」

「楽しんでくれたみたいでよかったよ。自信満々みたいだけどさ、城前って遊矢たちにさ、勝てる自信あるんだ?」

デュエルは途中なのだが、この監視カメラの存在に気づいたらしい赤馬社長がなにやら叫んでいるのが聞こえる。蓮が転移装置で宣戦布告でもしたのだろう、吠える赤馬社長が見える。そして崩壊していく洞窟。姿を消す、遊矢と赤馬社長。黒咲達は柚子をつれて脱出するのが見えた。

「馬鹿にしてんのか?勝つもなにも、デュエルする前から負けるなんて考えてやる方が侮辱だろーよ」


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