ゴーストvsゴースト

パソコンからフルダイブしたワナビーを待っていたのは電子の海。ゼロとイチの羅列の世界だ。そこから無数に張り巡らされたネットワークを通じて創られた箱庭に飛び込む。電子の海の中は自由な世界であり、不自由な世界であり、現実の世界とは少し違った世界が広がっていて、それでも現実の世界と同じ時間を歩んでいく。

ワナビーのいないリンクヴレインズにて、playmakerたちは電子の海の中で何を想うのだろうか。電子の海の中で何を感じるのだろうか。電子の海をゆたいながら自分の想いに浸る。

誰かに伝えたい事があるのだとワナビーはゴーストになったはずだ。皆に分かって欲しい事があるのだと、人々に感じて欲しい事があるのだと。マインドスキャンに邪魔されないで誰かと繋がるために。だからこそ絶対に居場所を守る為にもライトニングたちに勝たなくてはならない。決意を新たにplaymakerたちのところにワナビーはダイブした。

「ボクは《終末の騎士》を通常召喚してモンスター効果を発動!手札を1枚捨てて、闇属性レベル4のモンスターを守備表示で特殊召喚!」

旧ゴーストの先制が聞こえてくる。

「さあ、はじめるとしようか!ボクはフィールドのモンスター2体をリンクマーカーにセット!リンク召喚、リンク2《イゾルデ》!!」

エクストラゾーンにモンスターが特殊召喚される。

「《イゾルデ》のモンスター効果によりデッキからカードをドローするよ。そして第2の効果によりフィールドにモンスターを1体守備表示で特殊召喚!ここで魔法カード《同姓同盟》の効果により同名カードを2体デッキから守備表示でフィールドに特殊召喚!」

旧ゴーストはエクシーズや《トロイメア》モンスターたちの効果、《ブリリアント・フュージョン》を絡めた展開を駆使してフィールドを展開していく。一体、また一体と増えていき、いつの間にかフィールドはモンスターだらけになっていった。

「HALはあいかわらず凄いなあ......」

ワナビーは独りごちる。その間にも連続シンクロ召喚は繰り出され、最終的にモンスターが降臨した。

「我が身に眠る、心の闇よ!黒き暴風となりて、全ての敵を打ち払わん!シンクロ召喚!現れろ!《ダーク・ダイブ・ボンバー》!」

ワナビーのしらないカードだ。

「ここで《ダーク・ダイブ・ボンバー》のモンスター効果を発動するよ!自分メインフェイズ1に自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。リリースしたモンスターのレベル×200ダメージを相手に与える。ボクがリリースするのはこのモンスターだよ!フィールドには2体の《ダーク・ダイブ・ボンバー》がいるんだ。この意味がわかるよね?そう、君の負けだよ、偽物くん!!」
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