ゴーストVSゴースト2


そこにいるゴーストは、自分なのに被虐の快感に浸ってるとも見られる微笑みを浮かべている。ワナビーは絶対にしないような退屈しきったような顔に微笑みを浮かべている。対峙する旧ゴーストはいたずら好きの子供がするような意地悪な微笑みをたたえている。冷ややかな、意地の悪い微笑みを口元に浮かべて、新ゴーストはDボードに乗り込んだ。しらけた笑いを皮膚の上に浮かべたまま、からかうような、あざ笑うような皮肉な笑いをこぼして旧ゴーストは後につづく。新ゴーストは歪んだ笑いを頬に浮かべたまま、一言も発しない。旧ゴーストはいたずらっ子のような表情だ。


ワナビーは祈るような気持ちで目の前の巨大なモニターを見つめていた。

人を見るとき、何か見透かすような嫌な笑いを浮かべ、嘲うようにニヤニヤする自分がいる。馬鹿にしたように鼻で笑っている。人を馬鹿にしたような薄笑いは、なんだか薄気味悪さすら感じる。自らを嘲るように目から口へかけて冷たい笑いが動く。音声を拾うことはできない。
物事全てを小馬鹿にするような笑いをしながら、デュエルディスクをかざす新ゴースト。

顔で微笑んで氷のようの嘲笑が唇を掠める旧ゴーストが人の心を冷え冷えとさせる嘲笑を貼り付けたまま応じる。あまり気持ちのいい会話じゃないのだろう、鬼塚が顔を歪めている。

「頑張って、HAL。ボクに負けないで」

自分を応援するのもなんだか変な話したが、ワナビーはなにも出来ない。

足もとがよろけるよど風が強いのか、ゴーストたちには息が苦しくなるほどの風が吹き込んでくる。吹きつけて来る風に面と向かうと、鋭い刃物を当てられたように痛い。烈風が街路を大波のように吹き過ぎる。
顔を向けられないほどの風が激しく吹き荒ぶ。風が荒々しく草木を吹き倒し、とてつもなく大きな黒い旗が何本も頭の上ではためいているように、真っ黒な空を猛烈に風が吹き鳴らしている。今にも風で吹き落とされそうに、星が危なっかしく空に光っている中、2枚のボードが駆け上がっていった。

風が今にも梢から月を落としそうだ。夜景も揺れるような闇を引き裂くような強風が強く吹いている。

「HAL......!」

ワナビーは食い入るように画面を見つめる。

「ボクもなにか、なにか......!」

ワナビーは周りを見渡し、ここからなにかしらの操作が出来ないかとパソコンに手を伸ばす。

「よーし、ネットワークに入れるならこっちのもの!待っててね、HAL!」
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