DUELIST MEETING8
「まえの講義では、基本的なモンスター・魔法・罠カードの見方と使い方を説明したな!昴君、魔法と罠カードは、どんな役目があるんだったかな?覚えてるかい?」

「あ、は、はい!モンスターのバトルをサポートする役目があります!」

「そのとおりだ、大正解!さすがだな!そういうわけで、モンスターのバトルをバックアップする強い味方なカードだけあって、魔法や罠はさまざまな効果があるぞ。それをおおまかな種類にわけて説明していこう。まずは魔法カードから行こう。魔法カードは何種類だったか覚えてるかな?」

「えーっと、たしかアイコンが5こと、なんにもないのが1つだから6つです」

「そうそう、いい調子だ。それじゃ、アイコンをここに並べてみたから違いを見比べながら勉強していこう。まずは、この〇の中に十字架がかいてあるアイコンのカードだ」

そういって塾長は2枚のカードを比嘉の前に並べた。

灼熱の槍
【魔法・装備】
炎属性モンスターのみ装備可能。
装備モンスターの攻撃力は400ポイントアップし、守備力は200ポイントダウンする。

サラマンドラ
【魔法・装備】
炎属性モンスターのみ装備可能。
装備モンスターの攻撃力は700ポイントアップする。

「こいつは装備魔法。フィールドにいる表側のモンスター1体に効果がある魔法なんだ。イメージ的にはモンスターが灼熱の槍やサラマンドラみたいな武器を手にするって感じだな。だからそのモンスターがフィールドにいる限り、効果を発動しても墓地にはいかないんだ、そのままフィールドに残り続けるぞ」

「ほら、装備していくかって、武器屋のおっさんがいってるだろ?あんな感じだよ」

「装備しないと意味がないってことですか」

「そういうこと!」

「なるほど……装備してるからフィールドに残るんですね。ってことは、そのモンスターがフィールドから離れちゃったら、破壊されて墓地に行くってことですよね?」

「そう!凄いじゃないか、昴君。おれが説明したいこと全部言ってくれたよ。ちなみに最初の頃はモンスターの攻撃力や守備力を強化してくれる効果が多かったんだ。最近だと破壊されるモンスターの身代わりになってくれる効果が多いな。ちなみにステータスを下げる効果を持ってる装備カードもあるんだ。これはその効果の対象を相手にすることで、ステータスをダウンさせるって使い方もできるぞ」

「おー、すごいですね。ほんとにプレイヤー次第なんだ」

「そう、それがデュエルモンスターズの醍醐味のひとつでもあるぞ。おなじカードでもプレイヤーによって使い方や使うタイミングが違ってくる。もちろんデュエルの内容も変化する。なにひとつとして同じものは無い。たった一度だけなんだ!」

「あ、たしかにそうですね」

「そういうことだ!さあ、そのためには魔法や罠、モンスターたちをしっかりと知ることが大事だ。頑張っていこう」

はい、と力強く頷いた比嘉に、よーしいいぞ、と気合を入れた塾長は装備魔法の隣に新しい魔法カードを置いた。

炎虎梁山爆(えんこりょうざんばく)
【魔法・永続】
このカードの発動時に、自分は自分フィールド上の永続魔法・永続罠カードの数×500ポイント回復する。また、フィールド上で表側表示で存在するこのカードが相手の効果によって墓地に送られた場合、自分の墓地の永続魔法・永遠罠カード×500ポイントのダメージを相手へ与える。

「次は永続魔法だ。装備魔法とおなじくフィールドにある限り効果がずっと続くタイプの魔法カードだぞ。カードによってはフィールドに残る期間が短いから、テキストをよく読むことにしよう。ちなみに1枚のカードでずっと効果を受けられるのが最大の魅力でもあり、欠点でもある。装備魔法と同じくフィールドから離れてしまうと効果を発動できないまま終わってしまうこともよくあるんだ。しっかり守っていこう」

「はい、わかりました!」

「それじゃあ続いてこいつだ」

塾長はどんどん比嘉の前に魔法カードをならべていく。アイコンを手書きし、その横に種類を書いて、さらにカードの使い方をメモする比嘉の筆記用具の音が響いている。

バーニング・ブラッド
【魔法・フィールド】
フィールド上に表側表示で存在する炎属性モンスターの攻撃力は500ポイントアップし、守備力は400ポイントダウンする。

「こいつはフィールド魔法!フィールドの見方を説明した時にちらっと話したけど、覚えているかな?普通、魔法カードは魔法&罠ゾーンに置かれるんだけど、特別なカードだけをおける特別なゾーンがあったな。そう、それがフィールドゾーンであり、特別なカードはフィールド魔法のことだったんだ」

「あれ?たしか、フィールド全体のこともフィールドっていいませんでしたっけ、塾長」

「あはは、そうだな。同じ名前が使われているから、間違えないように注意しよう。フィールドゾーンは、フィールド魔法専用のゾーンだからな、他の魔法はおけないし、効果を発動するなら魔法&罠ゾーンへ!」

「了解です」

「フィールド魔法も装備魔法や永続魔法のように、効果を発動するとフィールド上に残り続けるぞ。そしてもうひとつ特徴ができるんだ。それはすでにセッティングされているフィールド魔法を破壊して、新しいフィールドを張り替えることができるんだ]

「あ、そんなことできるんですね」

「ああ、新しいフィールドを展開させるか、そのままにしておくかは昴くん次第だよ。よく覚えておいてくれ」

「はーい」


元気よく返事をした比嘉に、塾長は大きく頷いた。


「さあ、魔法カードも折り返しだな。今度はこいつについて説明しよう。速攻魔法だ」

塾長はまた新たなカードを比嘉に見せながら解説を開始する。

炎王円環(えんおうえんかん)
【魔法・速攻】
自分フィールド上および自分の墓地の炎属性モンスター1体ずつ選択して発動できる。選択した自分フィールド上のモンスターを破壊し、選択した墓地のモンスターを特殊召喚する。「炎王円環」は1ターンに1度しか発動できない。

「速攻魔法は、魔法カードの中で最もたくさん使い道があるぞ。なんとどんなタイミングでも効果を発動することが可能なんだ。このカードを魔法&罠ゾーンに伏せておけば、相手のターンでも発動することができるぞ。でも、セットしたターンに発動することはできないってことに要注意だ」

「どんなときでも使えるんですか?すごいですね。でも、使い道が難しそうです」

「そうだなあ、初心者の昴君には選択肢がたくさんあると、どれが一番いいのか悩むときはいつでもあると思う。でも、それを楽しんでる人もいるから、参考にしてみたらどうだろう?」

「なるほど、たしかにそうですね。ありがとうございます」

「よーし、それじゃ、いよいよ最後だ。装備魔法、永続魔法、フィールド魔法、速攻魔法、と進んできた講義ももうすぐ終わるぞ。6つに含まれている儀式魔法については、モンスターの特殊召喚のときにゆっくり話を聞きたいから、あとからにするとして。今回の目玉はやっぱり通常魔法だな」

そういって塾長は最後の魔法カードを比嘉に提示した。

真炎の爆発
【魔法】
自分の墓地から守備力200の炎属性モンスターを可能な限り特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはこのターンのエンドフェイズ時にゲームから除外される。


「通常魔法は、モンスターカード、魔法カード、罠カードっていう3大カードを紹介した時に説明した、一般的な効果を持っている魔法カードのことなんだ。今までさまざまな魔法カードを紹介してきたが、5つ以外の魔法カードはすべて通常魔法と考えて構わないぞ。効果を発動したら墓地に送られる、使いきりの効果を持った魔法カードというわけだな」

「前の講義で出てきた魔法カードが通常魔法ってことは、速攻魔法みたいに伏せたら相手のターンでも使えるってことですよね?なにか違いってあるんですか?」

「おお、よく覚えてたな、昴君。速攻魔法との違いは、通常魔法はセットしたターンでも効果を発動することができるってことだ!つまり、手札をすべて墓地に送ってデッキからカードをひく効果を発動する前に、カードをあえて魔法&罠ゾーンにセットして墓地に送るのを回避。そのセットしたターンに時間差で発動するなんていうことも可能だぞ」

「わー、すごい。おもしろいですね!」

「だろう?速攻魔法も通常魔法も使いどころによって、得意なことと苦手なことがあるんだ。だから、その状況によってつかいわけられるようにしていこう。はじめは難しいかもしれないが、好きなカードを使っているうちに覚えられるようになるもんだ。だからなんにも心配する必要はないぞ、昴君」

「はい、わかりました!」

「塾長、呼び方は説明しなくていいの?」

「あ、そうだな、危ない危ない」

「え、なにか違いがあるんですか?榊先輩」

「実はあるんだよ、比嘉。通常魔法のことは【マジックカード】っていうんだ」

「え、罠カードはトラップカードだけど、魔法カードはまほうカードっていうんじゃないんですか?」

「そうなんだけどさ、デュエルモンスターズが始まったばかりのころ、魔法カードのことはマジックカードって呼んでたらしいんだ。その時の名残なんだってさ。フィールドマジックより、フィールド魔法の方が言いやすいっていうのもあるんじゃないかな?通常魔法より、マジックカード、って言った方がかっこいいだろ?」

「マジックカード、通常魔法、たしかにそうですね。マジックカードの方がかっこいいです」

「だろ?」

「うーん、俺がプロやってた頃は、マジックカードが公式の用語だったんだけどな。いつの間にか通常魔法でしか使われなくなっちゃったんだよな。さみしいぞ」

「えっと、この場合はどうしたらいいんですか?ちゃんと覚えられるまではボク、正式名称で練習するんですよね?」

「今は魔法カードが公式の用語だからな、通常魔法はマジックカード、他の魔法カードはなんとか魔法でいこうか」

「はい、わかりました」

「いよし、次は罠カードにいこう!」


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