「表側攻撃表示ってなんですか?」
「そうだな、それについても先に説明してしまおうか。デュエルモンスターズでは、フィールドのモンスターゾーンにモンスターを召喚するとき、カードの置き方は決まっているんだ。まずは表側攻撃表示。相手プレイヤーやモンスターに攻撃することができるんだ。これはフィールドのモンスターゾーンに表側で縦に置く。つぎは裏側守備表示。これはカードを裏側にして横向きにして置くんだ。この状態だと基本的にフィールドにあるカードの効果は受けないし、そのカードの効果も発動することはできない。ちなみに手札からカードを裏側でフィールドのゾーンに置くことをセット、もしくは伏せるというぞ。そして最後が表側守備表示だな。これは裏側守備表示のモンスターが相手モンスターに攻撃された時やカードの効果でフィールドに召喚された時にこの置き方になるんだ。この3つのカードの置き方を表示形式っていうぞ」
「表示形式ですね、了解です」
「もうひとつの召喚というのは回数制限がない召喚、特殊召喚と呼ばれているぞ。でも、特殊召喚は種類が多いし、方法もとても多彩だから今回は名前だけ覚えておいてくれ。詳しくはあとからする予定だからな!ここでは反転召喚に触れておこう」
「反転召喚?これも1ターンに1度しかできないんですか?」
「いや、これは召喚とついてはいるが、通常召喚には数えないんだ。フィールド上に存在する裏側守備表示のモンスターをプレイヤーが自分で表側攻撃表示にすることを反転召喚というぞ」
「あ、そうなんですか。あれ?ひっくりかえしても、やっぱり表側守備表示にはならないんですね」
「そうだな、反転召喚では表側守備表示にすることはできない。あと、セットされたモンスターは、そのターンの間はプレイヤーが自分で反転召喚することはできないんだ」
「へえ、そうなんだ。結構レアな状態なんですね、表側守備表示って」
「あっはっは、そうだな!」
「おもしろいこというのね、比嘉くんて。ちなみに裏側守備表示のモンスターを表側攻撃表示にすることをリバースっていうこともあるわ」
「そうそう、それとさ、リバースすることで効果を発動するモンスターは、リバースモンスターっていうんだ。覚えとくといいよ」
「わかりました、ありがとうございます」
「改めてみると通常召喚とか表示形式って長いよな。伏せるとかセットっていうよな、普通」
「そーね、召喚っていったら普通は通常召喚のことだし、略して召喚っていうし」
「え、そうなんですか?特殊召喚っていうのもあるんですよね?わからなくなりません?」
「それなら大丈夫よ、比嘉君。特殊召喚はそれぞれに名前がついているから、その名前で呼んでるわみんな。だから、ただの召喚っていったら通常召喚のことだなってわかるのよ」
「へえ、そうなんですか……ってことは反転召喚はリバース?」
「うーん、おれは違うなあ。反転召喚した時、効果を発揮するモンスターだけリバースモンスターっていうからさ、そのモンスターをリバースするときはリバースっていうけど、そうじゃない時は反転召喚かな」
「私はどっちもリバースね。まあ、人によるんじゃないかな?比嘉君の好きな方を選べばいいと思うわ」
「俺のお勧めは、すらすら言えるようになるまでは正式名称を言うこと!いずれアクションデュエルの門をたたく予定の昴君には、たくさんおしゃべりする練習をしてもらわないといけないからな!」
「えっ」
「あ、それいいわね。そっちの方がはやく覚えられるし!」
「えっ……えっ!?」
「アクションデュエルは滑舌よくないとできないしな、がんばれ比嘉!」
「えええっ!?ちょ、ちょっと待ってください!」
「待ってはなしだ!なにごともやってみないと進まないぞ、昴くん!さあ、昴くんの目標が決まったところで次に行くぞ!カードの効果のような特別な理由がないと、表側守備表示ではモンスターを召喚することはできないから、要注意だ。まとめると、モンスターの召喚は昴くんの手札の中にモンスターカードがあれば、モンスターを攻撃表示か守備表示でフィールド上に出すことができるんだ。もちろん出す場所はモンスターゾーン。手札にモンスターがたくさんあっても、1ターンに1度しか出せない。だからどのモンスターを出すのかは、よく考えよう。通常召喚は1ターンに1度しか使えないから、召喚権ということもあるくらい、貴重なものだからな。大事に使おう」
「うう、外堀が埋められちゃった。わかりました、召喚権ですね。……それだけ大事ってことですね」
「そういうことだ!さて、モンスターの召喚についてはこれくらいにして、次はモンスターの表示形式の変更について説明しよう。さっき説明したが、モンスターの表示形式は3種類あるんだ。メインフェイズのとき、プレイヤーはモンスターの表示形式を変更することができるぞ。それにはルールがあるんだ。まずはモンスター1体につきターン中1回まで。つぎは召喚されたり、特殊召喚されたターンは表示形式の変更は出来ない。そして表示形式を変更しないでバトルフェイズで攻撃したあと、メインフェイズ2では表示形式が変更できない。最後は特に間違えやすいから注意しよう」
「了解です!」
「よしよし、あとメインフィズでできることといえば、魔法や罠、モンスターの効果といったカードの効果の発動だな。特に発動時期が指定されていない魔法や罠カード、モンスター効果は、手札やコストがある限り何度も発動することができるぞ。そして、魔法や罠をセットすることもできる。魔法&罠ゾーンに空きがあれば、何枚でもセットできるぞ。でもフィールド魔法はフィールドゾーンを使うから間違えないようにしよう」
「は、はい」
「よし、それじゃ昴くん、メインフェイズに入ったから、モンスターを召喚してみよう。今回は攻撃表示でやってみよう。さあ、いずれアクションデュエルの練習になると思って、元気よく!」
「は、はい!えっと、僕は手札からE・HERO(エレメンタル・ヒーロー)バーストレディを表側攻撃表示で通常召喚します!」
「ベリーグッドだ、昴くん。よくできました!さて、次はなにをする?」
「ありがとうございます!えーっと、そうですね……僕はこのままメインフェイズを終わりたいです」
「そうだな。今、比嘉くんのデッキはすべてレベル4以下のモンスターしか入っていないから、魔法や罠はセットできない。こうやってなにができるかは、デッキや手札のカードによって変わって来るんだ。かならず何かをやらなくちゃいけないわけじゃない。何をしたいかは比嘉くん次第だな!さて、次にやってくるのがバトルフェイズだ。バトルフェイズはフィールド上のモンスターを使って戦闘(バトル)を行うフェイズなんだ。でも、フィールド上にモンスターがいても、バトルをしたくない時は、このフェイズを飛ばしても構わないぞ。ホントならこのままバーストレディで攻撃したいところだけど、残念ながら先行プレイヤーの1ターン目だけは、先行プレイヤーが有利になってしまうからモンスターで攻撃することはできないんだ」
「そうなんですか?」
「ああ。バトルフェイズだけでいうと、ここでは4つのステップに分かれているんだ。スタートステップ、バトルステップ、ダメージステップ、エンドステップ。それぞれ使用できるカードが違うんだ。バトルフェイズについては、次回もっと詳しく説明するから、今は飛ばそう。ちなみにプレイヤーがバトルフェイズを飛ばした場合、メインフェイズ2も飛ばされてしまうから注意してくれ」
「え?ってことは、先行ではバトルフェイズとメインフェイズ2が飛ばされちゃうってことですか?」
「そう、そういうことだな!そして最後に行うのがエンドフェイズ。エンドフェイズにする、と書かれているカードがあったら、そのカードの効果を処理するんだ。また、このフェイズが終わった時、プレイヤーの手札が6枚を超えている時は、手札が6枚になるようにカードを墓地に捨てないといけないんだ。こうやってターンをそれぞれのプレイヤーがお互いに行うことによってデュエルが進んでいくぞ」
「実はエンドフェイズも大事なのよ、比嘉君。メインフェイズとバトルフェイズでプレイヤーはカードを使うから手札が減っちゃうでしょ?だからカードの効果を発動しても、それを邪魔できるカードがもうないってよくあることなの。だから、この隙を狙って相手の邪魔をするカードを発動したら、どうなると思う?」
「あ、相手はなにもできないですね!」
「でしょ?でも、それは相手も同じことが言えるわよね。だから、カードをいつ、どこで、どうやって使うのかって、すっごく大事なことなのよ。これは初心者の比嘉くんでも、私たちでも、プロの人だってデュエルをしている間、ずっと考えなくちゃいけないのはみんな一緒。大変だけど、すごく楽しいわ」
「たしかに相手のやりたいことを邪魔するとか、自分がやりたいことをなんとか通すのもスリルがあって楽しいよな!」
「難しそうですけど、楽しそうですね!それって、プロの人のデュエルでやってるやつですよね?見てて楽しいんですから、やってる人はもっと楽しいと思います。僕もはやく出来るようになりたいな」
「そうだな!そのためにも、もう少し頑張ろう昴くん」
「はい!」