DUELIST MEETING2

「 」「@」「@」「@」「@」「@」「 」
「 」「 」「 」「 」「 」「 」「 」
                  「 」


「さてまずは@をみてくれ。ここはモンスターゾーンというんだ。ここにはデュエル中に召喚するモンスターを置くぞ。ここに置かれているモンスターで昴君はバトルを行なうことができるんだ」

「自分のフィールドに出せるモンスターは5体までよ」

「5体ですか、わかりました」


比嘉の鉛筆が〇を描く。


「さて、つぎはAをみてくれ」

「えーっと、ここかな?モンスターゾーンの下ですね」


「 」「 」「 」「 」「 」「 」「 」
「 」「A」「A」「A」「A」「A」「 」
「 」               「 」


「そう、ここだ」


塾長はデュエルマットをなぞった。


「ここは魔法&罠(まほう&トラップ)ゾーン。魔法カードと罠(トラップ)カードを置く場所だ。モンスターゾーンと一緒で5枚までしかおけないぞ。魔法カードや罠(トラップ)カードの効果を発動する時は、かならずこのゾーンを使わないといけないんだ」

「え、それじゃ、埋まっちゃったらどうなるんですか?」

「もちろん魔法も罠(トラップ)も効果を発動すること自体できないんだ。だから、よく考えて置こう。もちろんそれはモンスターゾーンにもいえることだな」

「そっかぁ、先のことを考えないといけないってことですね。難しそうだけど、がんばろう」

「あ、そうそう、比嘉。デュエルフィールドだと、魔法&罠ゾーンはモンスターゾーンの後ろにあるだろ?これはモンスターたちをバックアップするためだって覚えとくといいよ。よく魔法や罠が少ないデッキは、バックが薄いっていうんだけど、これは支援するカードが少ないのと、魔法&罠ゾーンの場所から来てるんだ」

「そうなんですか?わかりました、ありがとうございます!」


わかりやすく、ゾーンの名前をかいていく比嘉を眺め、その動きがとまるのを確認した塾長は、モンスターゾーンの右側をなぞった。


「 」「 」「 」「 」「 」「 」「 」
「 」「 」「 」「 」「 」「 」「B」
                  「 」


「次はBにいこう。これは墓地というんだ。ここは戦闘で破壊されたモンスターカードや使い終わった魔法や罠カードをおく場所なんだ。ここに置かれるカードは、自分も相手もいつでも確認することができるんだ。でも、さっき言ったとおり、墓地に置かれているカードの順番は勝手に変えちゃいけないぞ」

「わかりました。でも、どうしてですか?」

「カードの効果に墓地の順番が関わるものがあるんだ。たとえば、クイズっていう魔法カード。このカードを発動すると相手は墓地を確認できなくなり、一番下にあるカードを当てないといけないんだ。あてられたらそのカードはゲームでは使えなくなる、もしあてられなかったらモンスターゾーンに出せるんだ」

「それに、比嘉君の墓地に同じ名前のカードが2枚あるとするじゃない?そのモンスターはデュエル中1回だけ強い効果を発動できるとして、1枚はもう効果を使っちゃった。もう一枚はまだ使ってない。比嘉君は墓地からモンスターをフィールドに呼び出せる魔法がある。どっちを呼びたい?」

「それは……やっぱりまだ効果を使ってない方がいいです」

「でしょ?もし墓地の順番がめちゃくちゃだと、どっちが効果をつかったモンスターかわからなくなっちゃうわ。墓地から呼びたいカードはどっちか、デュエルディスクに教えてあげないといけないから、墓地の順番って大事なのよ」

「なるほど……わかりました」

「あ、そうそう、カードはぜんぶ表側でおいてね」

「はい」

「デュエルモンスターズってさ、墓地にあるカードを参考にする効果とか、墓地にあるカードを再利用する効果を持ったカードがものすごく多いんだ。普通は使い終わったカードはもう使えないカードゲームが多いんだけど、デュエルモンスターズはそうじゃない。なんでだとおもう?」

「え、えーっと……そうですね、なんでだろ、うーん。再利用しないといけないくらい、カードが足りないからとか?」

「うん、せいかい。やるじゃん」

「え、そうなんですか?」

「デュエルモンスターズだと、1ターンに1度、デッキからカードをひけるんだけど、それ以外でデッキからカードをひくのって結構難しいんだ。なにか制限があったり、デメリットがあったり、その効果があるカードが禁止になってたりするし。だから、一度墓地に送ってから、そのカードを手札に加えたり、フィールドに呼び出したりする方法がよくつかわれるんだよ」

「あ、なるほど。たしかにそれなら墓地をたくさん使いますね」

「だろ?墓地なのに全然墓地じゃないってよくいわれるよな、第二の手札とか」

「あはは、墓地にいったのに全然休めないんですね、おもしろいなあ」

「そーね、たくさん使われるモンスター程、何回も墓地に行くことが多いから、よく考えると変な感じかも?」


比嘉が墓地のすぐ横にかく箇条書きがどんどんふえていく。塾長は墓地の下、#比嘉#から見て、一番右下にあるゾーンを指差した。


「よーし、そろそろCにいこう」


「 」「 」「 」「 」「 」「 」「 」
「 」「 」「 」「 」「 」「 」「 」
                  「C」


「ここはデッキゾーン。ここには、自分のメインデッキを裏側にしておく場所なんだ。もちろんデッキをシャッフルする、という効果を発動していないのに、カードの順番を勝手に変えちゃいけないぞ。カードの順番が関わってくる効果を発動する時に困るからな」

「はい、わかりました」

「デッキからカードをひくことをドローっていうの。覚えておいてね」

「あ、はい、それは知ってます。テレビでよくプロの人が言ってるの見たことあります」

「そうそう、ドローっていいながら、カードをひくの。これはアクションデュエルでよくやる方法ね、スタンディングデュエルはカードの動きが重視されるから、何々をします、って宣言するだけでいいの。相手と自分とジャッジしかいないから、ふたりに分かるように言えばいいだけだしね」

「あー、なるほど。たしかにそうですね。でも……ちょっと残念です」


比嘉の言葉に遊矢は思わず口を出した。


「でもさ、柚子。比嘉は初心者なわけだし、自分が何をしているのか説明できるようにした方が、はやく覚えられないか?おれたちもそうやって覚えたじゃん。ここはアクションデュエルの塾なんだ、普通の教え方じゃつまんないだろ?塾長」

「いいことをいってくれたな、遊矢。たしかにそうだ。スタンディングデュエルを教えてるとは言え、いずれ昴君にはアクションデュエルの舞台に立ってもらいたいからな!」

「あー、たしかにそうね。遊矢のいうとおりかも。どうする?比嘉くん。スタンディングデュエルを先に勉強してるけど、アクションデュエルみたいにやってみる?」

「あ、は、はい!僕、やってみたいです!」

「そうこなくっちゃ」

「ありがとうございます、榊先輩」


うれしそうにお礼を言う比嘉に、遊矢は笑った。うんうんうなづいた塾長はガッツポーズした。


「もりあがってきたところで、Dにいこう!墓地の上にあるゾーンだ」


「 」「 」「 」「 」「 」「 」「D」
「 」「 」「 」「 」「 」「 」「 」
                  「 」


「ここにはカードの効果によってゲームから取り除かれたカードがおかれるんだ。ふつうは【除外ゾーン】とよばれている。そしてここにカードを置くことを【除外する】というんだ。使用されたカードは基本的に墓地に送られるんだが、カードの効果によって除外されるとデュエル中は使用できなくなってしまうんだ。除外されたカードを墓地や手札、デッキに戻す効果をつかわないといけないから注意してくれ」

「このデュエルマットだと墓地の上に除外ゾーンがあるんだけど、除外ゾーンってはっきりした場所がないの。だから墓地の右側だったりするわ」

「え、どうして決まってないんですか?」

「それはね、デュエルっていうゲームから取り除かれたカードを置く場所だからよ。フィールドから隔離されてるから、デッキや墓地、手札、フィールド、エクストラデッキのどこにもおけない、それ以外の場所だからはっきりとした場所が決まってないみたい」

「だからさ、除外されてるってわかればどこでもいいんだよな、おれはわかりやすいと思うから、墓地の近くでいいと思うけど」

「なるほど、わかりました」

「昴君に一つ注意してほしいんだが、墓地と除外ゾーンは区別して置いてくれ。むかしは墓地の一番下に横向きにおいている場合もあったんだが、相手が勘違いするっていう理由でルール違反になった人がいたんだ」

「そうなんですか……あ、たしかにクイズを使った時わからないですね」

「だろ?だから除外ゾーンと墓地は分けておいた方がいい。今はカードプールが増えてきたおかげで、除外ゾーンからカードを戻すことも簡単になってきたから、第二の墓地だなんていわれたりするが、ルールは守ろうな」

「はい、わかりました。あの、ところで、カードプールってなんですか?」

「かんたんにいえば、デッキに入れられるカードたちってことだ、昴くん。デュエルモンスターズはカードゲームだから、たくさんの種類のカードをたくさんもっていればいるほど、デッキにいれられるカードの選択肢がふえるだろ?デュエルモンスターズも歴史がながいから、いろんなカードが出てきて、種類がふえたってことだな」

「あー、なるほど。ありがとうございます」


比嘉がプリントに言葉を並べている間に、塾長はもってきていたカバンをあける。なにやらごそごそしはじめた。おわりました、という声に顔を上げた。


「さあ、いよいよ最後だ。EとFを一気にいこうか!」

「はい、つぎは反対側ですね!」

「そうだな、もう一息だ、がんばろう」

「はい!」


「E」「 」「 」「 」「 」「 」「 」
「F」「 」「 」「 」「 」「 」「 」
                  「 」


「まずはEからいこう。さっき魔法&罠ゾーンに魔法カードはおかないと効果を発動できない、と説明したと思うんだが、例外がいくつかあるんだ。そのうちの1つがフィールド魔法っていう魔法カードの中でも特別な効果があるカード。フィールド魔法は魔法&罠ゾーンじゃなくて、ここのフィールドゾーンにおかれるんだ。フィールド魔法については、あとでじっくり説明するからおいとこう」

「え、えーっと、カードゾーン全体をフィールドっていうんですよね?あれ?」

「あはは、よく似てるけど間違えないように注意しよう。フィールドは、昴君の言うとおりカードゾーン全体をいうんだ。そしてEはフィールド魔法専用の置き場だからフィールド(魔法)ゾーンって覚えよう」

「わ、わかりました。気を付けます」

「よしよし、いいぞ。さあ、いよいよ最後だ。Fにいこうか!ここはエクストラデッキゾーン。さっき遊矢が説明してくれた、融合、シンクロ、エクシーズモンスターという特殊な方法で出すことができるモンスターで作られたデッキ、エクストラデッキを裏側でおいておく場所だ。それぞれのモンスターは、その召喚方法とあわせて説明するから待っててくれよ」

「はい、楽しみにしてます!」

「よーし、お疲れ様。これで比嘉くんは、デュエルモンスターズの基本的な知識をひとつ身に着けたわけだ。フィールドの見方と専門的な言葉、よくつかう言葉ばかりだから慣れてくれば自然といえるようになるぞ!さあ、ひとまず休憩にしよう。次は、実際にカードをみながら、どんなカードがあるのか勉強していこうか」

「わかりました!榊先輩も柊先輩も、いろいろ教えてくださってありがとうございます。僕、がんばります!」

「うん、その調子よ、比嘉くん。今日習うことはアカデミアでも勉強することだから、予習だと思って気楽にね」

「くあーっ、やっぱずっと聞いてると疲れるよなあ。比嘉も休み時間はちゃんと休めよ?」

「遊矢はもっとちゃんと聞きなさい!」

「いてっ!」


平行世界でも柚子の鉄拳は健在のようだと実感しながら、遊矢は机に突っ伏した。


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