159インターン開始
今日は待ちに待ったインターンの日だ。
幼馴染2人と轟と共に学校を出発した梓はるんるんと鼻歌まじりにヒーローコスの入った鞄を抱きかかえた。


「ご機嫌だね、梓ちゃん」

『いつもは先生や九条さんたちに付き添ってもらわないと外に出る事ができないから、なんだか嬉しい』

「そっかぁ。嬉しそうで良かった。昨日の任命式が大変そうだったから、今日のインターンに支障が出ないか心配だったんだよ」

『あはは、大丈夫だよ。いずっくんも、かっちゃんも轟くんも、昨日は来てくれてありがとうね』


とりあえず無事に側近が任命できて良かった、と胸を撫で下ろす少女に轟と緑谷は力になれたんなら良かった、と肩をすくめる。


「九条さんもああ言ってたし、インターン中にもしかしたら側近の人たちに会うかもね」

『うーん…ちょっとインターンが憂鬱になったぞ』

「あはは、東の人と南の人は梓ちゃんに好意的だったし、他の2人も敵意を抱いてる訳じゃなさそうだったから良かったじゃん」

『それは良かったけど、ハルと水澄はなんか私に夢見すぎじゃなかった?すごく絶賛されててちょっと怖かったんだけど』

「まぁ…それは、僕も思ったけど」

「あいつは?」


仲良く緑谷と喋っていたら横から苛立った口調で爆豪にそう問われ、何のことかがわからずに梓は首を傾げた。


『あいつ?』

「西の奴に決まってんだろ。ずっと表情変えなかったあのいけすかねェ野郎だよ」

『ああ、西京。うん。カナタ派だった人だよね。あの人の出自はちょっと複雑だからなぁ』

「はァ?」


素直に自分の想いを吐露した香雪と違い、何も言葉を発さなかった西京は爆豪の目から見て不審に映ったらしい。


『私は別に、西京が守ることを疎かにしなければなんでもいいんだけど、心操も気になったみたいで色々と昨日のうちに調べたみたいでさ、』

「えっあの後調べたの?」

『うん、側近達の身辺調査の報告書の束を泉さんから受け取ってたもん。全部目を通したって言ってて、西京については気を付けろって昨日の夜携帯に連絡があった』

「「「気をつけろ?」」」


警戒を顔に出した3人に梓は微妙そうな顔で頷いた。


『私が死ねば家督が譲られるって豪語する者もいたって話したでしょ?毒殺も懸念してたって。小学生くらいの時にその類の未遂事件があってね、その首謀者だったのが西京の父親なんだよ。もう破門になって今はいないけど』

「そうなんだ!?えっ、でも昨日、西京って人、西の分家長の長男って言ってたよね?」

『うん、本当はその父親が処分されるときに息子である西京や他の親族も連座で処分される予定だったんだけど…未遂だし、首謀者だけ罰すればいいんじゃないかって言ったら父さんが私の意見を聞き入れてそうしてくれてたみたいで』

「あっま」

『あはは、だから西京は、破門された実の父の後を継ぐことになった人の養子となって、西の分家に残ることになったんだってさ。まさかあの時連座回避した人が自分の側近になるとは思わなかったなぁ』

「つまり、じゃあ、西京さんにとって梓ちゃんは、実の父親が殺そうとした子で、自分の未来を救ってくれた子でもある訳だ」

「……そりゃ、複雑だな」


難しそうに表情を固くした轟に梓も頷く。


『心操からは、もしかしたら父親が破門にされた恨みを持っているかもしれないから警戒が必要とは言われたけど…、私的には西京が守ることを疎かにしなければなんだっていいんだよなぁ』

「梓ちゃん呑気だねぇ」

『だって私自身西京に宣戦布告されたことないし〜』


側近の問題より久しぶりの外出とインターンの方が彼女の感情の上位にあたるのだろう。るんるんとコスの鞄をもったままくるんと回った梓に思わず緑谷は心操の苦労を思い描くのだった。




集合場所には、ヒーローコスを着ていないエンデヴァーが仁王立ちで立っていた。
迫力が凄い。会ったことがあるとはいえ、1度目は挨拶程度だし、2度目はホークス目当てだったし、この迫力には慣れない。

梓からすれば、前回も前々回も友達のお父さんとしての認識だったので、プロヒーローのエンデヴァーとして会うのは緊張するのだ。外部インターンも初めてだし。


「ようこそ、エンデヴァーのもとへ」


にこりと笑って迎えてくれた彼にホッと息をつくが、すぐに顔がしかめられ「なんて気分ではないな」と言われて口元をひくつかせた。


「焦凍の頼みだから渋々許可したが!焦凍だけで来て欲しかった」


爆豪たちと共にぎろりと睨まれてどうしようと視線を迷わせているとサッと轟が前に出てくれる。


「許可したなら文句言うなよ」

「しょっ焦凍!」


明らかに歓迎されていない。このまま受け入れてもらってもいいのだろうか、とちらりと視線を彷徨わせていれば、スッと爆豪が隣に立った。
赤い目でちらりと見下ろされ、「なァ」と話しかけられ梓は返事のかわりに彼の方を向いた。


「補講の時から思ってたが、きちィよな」

『ぶっ』

「焦凍本当にこの子たちと仲良しなのか」

「まァ、トップの現場見れんならなんでもいいけどよ」

『はは、正直に言い過ぎだよ』

「友人は選べと言ったハズだ!」

「許可していただきありがとうございます」


ぺこりと頭を下げた緑谷に倣い、梓もぺこっと頭を下げる。
渋々ではあったが、案内するようにコートを翻した彼にホッと息をつくと、「学ばせてもらいます!」と声をあげた緑谷に続いた。


『わ、私も、学ばせてもらいます。あと、エンデヴァーさん!』


前を行くエンデヴァーのコートの端をパッと掴めばエンデヴァーが怪訝な顔で「なんだ」と振り返る。


『すみません、私、連合に狙われてるせいで…エンデヴァーさんの事務所でしか受け入れ出来ないって言われてしまって、』

「公安から聞いている、気にするな。まァ十中八九、奴の根回しだろうがな」


奴とは誰だろう。
聞く前にスタスタと歩いて行ってしまったものだから梓は聞くのを諦めて追いかけた。

その時だった。
ピリッとひりついた気配を感じて、ハッと横を向く。
同時に、エンデヴァーは動き出していた。


「申し訳ないが焦凍以外に構うつもりはない」


彼がガードレールを飛び越えたのと、梓が背負っていた袋に入った刀を取り出し腰のベルトに挿すのは同時だった。
コンマ数秒遅れて同じように彼女がガードレールを飛び越えたことで緑谷たちもハッとする。


「学びたいなら後ろで見ていろ!」

「指示お願いします!」

「後ろで!見ていろ!」


後ろでと言われても。
微妙な顔でタンッと軽く地面を蹴ってエンデヴァーを追いかける梓は「“後ろで見ていろ”って」「ついていかなきゃ見れない」と話す友人たちを振り返った。


『一旦空まで上がる!敵が何してるかわかんないしグループかもわかんないから!』


言うのが先が動くのが先か。
気づけば梓はダンダンダンッ!と勢いよく壁を蹴って一気に上空まで上がっていた。


「梓ちゃん!?ヒーローコスに着替えてないのに、パンツ見えるよ!?」

「大丈夫だ。ズボン履いてるぞ。にしてもあいつ、ブーツも履いてたんだな」

「あ、ほんとだ。ていうか、梓ちゃんの反応速度がマジでえげつなくなかった!?」

「何見てんだテメェらは!!」


何故か爆豪に怒られつつ彼らは情報収集を梓に任せるとエンデヴァーを追いかけた。
赫灼でますますスピードが上がり、突き放されそうになるのを必死で追いかける。
ちらりと空を見れば、障壁が無い分進みやすいのか、梓が少しずつエンデヴァーとの距離を縮めていた。

元々、スピードに定評のある彼女が、嵐の個性を全集中させて追いかけているのだ。


(速い…!)


必死に追いかけていれば、エンデヴァーが向かった先の大通りで大きな爆発が起こった。


ードォンッ!!


と、同時、緑谷たちの携帯に梓から一斉送信でメッセージが届く。


“ガラス操作”
“北二本目の路地”
“待ち伏せの可能性あり”


ちらりと画面を見て、その3つの単語を読み取った緑谷たちは先回りしようと一気に大通りを抜ける。
同じ頃、梓もエンデヴァーを追いかけるように路地に入っていた。


(あの思想犯的な老人が突発的に事に当たったとは思えない。この路地を逃げ道に選ぶあたり、待ち伏せの可能性が、)


思った通りだ。
エンデヴァーが路地を抜けた瞬間、横から敵が数人現れた。咄嗟に威嚇程度の渦雷突きでエンデヴァー以外の敵を吹き飛ばそうとするが、それよりも早く仲間たちが現れる。


(追いついてくれた!)


それでも敵の力量がわからないので、加勢するために敵陣に飛び出した時だった。


「あれ!?…ああ!!インターンか!」


倒そうとした敵が赤い羽で吹き飛ばされ、驚き目を見開いたまま勢いを止めることができなくてそのままホークスに突っ込む。


『うわぁ!?』

「おー、かわいー子が飛び込んできた!ごめん、俺の方がちょっと速かったな」

「ホークス!?」『ホークスさん!?』


ホークスに抱き留められたまま訳もわからず目をぱちくりとさせていれば、いつのまにかホークスの羽によってすべての敵が行動不能になっていて言葉を失う。


「エンデヴァーさんがピンチかと思って」

「この俺がピンチに見えたか」

「見えたよねえ、焦凍くん」

「え…あ…はぁ…」

「事故っちゃってごめんな、梓ちゃん。大丈夫だった?」

『だ、大丈夫です。ホークスさんが受け止めてくれたので』


そりゃ良かった、と人の良さそうな笑みでゆっくり地面に下ろしてくれたホークスに頭を下げれば、ぽんぽん、と撫でられた。


「来る時は連絡を寄越せ」

「いやマジふらっと寄っただけなんで」


そう言ってジッとエンデヴァーを見た彼はおどけた表情をしていなくて、横で見ながら梓は不思議そうに眉を上げた。





「星のしもべに命令されただけだ!」

「放せ!放さんか、手遅れになるぞ」


敵たちが警察に連行されていく中、梓は横に立つホークスを見上げた。
一切、目が合わない。
久々の再会なのに、夜間飛行をした時の人懐っこさは全く無い。


『……』

「オイ」


じっとホークスを見ていたら後ろから苛ついた声をかけらハッと後ろを向けば不機嫌そうな爆豪が梓を見下ろしていた。


『かっちゃん』

「なんで待ち伏せがわかった」

『え?』

「さっきだよ。テメーもあのオッサンの前に回り込めてる訳でもなかったし、俯瞰できるほど高度を上げてるわけでもなかっただろうが」

『ああ…いや、勘?あの星のしもべ?だっけ。あの人ねぇ、エンデヴァーさんが来たら“熱い!”って言って速攻路地に逃げたんだよ。この地域はあの人の管轄で、大通りで騒ぎを起こせばすぐに駆けつけることはわかってたハズだし熱いのもわかってたハズなのにねぇ』

「で?」

『別に衝動型の敵だったらそこまで考えなかったんだけどさ、あのご老人、思想犯でしょ?頭を使うタイプがそこを考慮してないとは思えなくて、もしかして逃げ込んだ先に待ち伏せが?と思っただけ。かっちゃんたちが大通りを素通りすればエンデヴァーさんの後ろを追いかける私よりは速いかと思ったし、待ち伏せがいなくても回り込む事になればそれでいいし』

「…あの一瞬でそこまで考えたんか」

『考えたっていうか、待ち伏せ!?ってハッとしただけで、なんで待ち伏せだと思ったのかなぁ〜って後から考えた』


少しだけ驚き見開いていた目がすぐにバカにしたような色に変わった。
む、と口をへの字に曲げればぐにっと頬を摘まれる。


「ハッ、頭で考えんのが苦手なのは変わってねェな」

『なにおう!』


褒められてもいいはずなのに!と対抗するように爆豪の頬を掴もうとするがひょいっと避けられる。こういう時、身長差は厄介である。
「2人とも恥ずかしいからやめて…!」という緑谷の悲痛な叫びが聞こえる中も妙な小競り合いは続いており、ホークスはそれを横目に必死に笑いを堪えていた。


(こっちは君の情報を向こうに渡さないように、君との仲を不必要にアピールしないように必死なんだけどな!?)


呑気に再会を喜ぶような目をしてくる彼女に話しかけられないようなオーラを出していれば、横で始まったのは仮免ヒーローとは思えない頬のつねり合いである。
最初は、空から俯瞰して見れるようになったなんて成長したなぁ、と思っていたのに台無しだ。


「爆豪、そろそろやめてやれよ。頬が赤くなって可哀想だ」

「ああ゛?」

『轟くん神さま』

「ああ゛!?」


ホークスが必死に無表情でやり過ごしていれば、おずおずと緑谷が近づいていた。


「緑谷といいます」

「指破壊する子。常闇くんから聞いてる。いやー俺も一緒に仕事したかったんだけどね」

「常闇くんは…?ホークス事務所続行では…」

「地元でサイドキックと仕事してもらってる。俺が立て込んじゃってて……悪いなァって、思ってるよ」


ホークスはジッとこっちを見る爆豪の視線に応えるように最後の言葉をそう繋げた。


「さっきのぁおれの方が速かった」

「それはどーかな!」

『いやぁ、流石にホークスさんでしょ。1テンポこっちが遅かったよ』

「テメェどっちの味方だ!?」

『えぇ…』


そんなに睨む?と梓は若干緑谷の後ろに隠れるが結局2人一緒に怒鳴られている。
平和そうで何よりだな、とホークスがそれを横目で見ていれば警察に引き渡しが終わったエンデヴァーが戻ってきた。


「で!?何用だ、ホークス!」

「用ってほどでも無いんですけど、エンデヴァーさんこの本読みました?」


スッとホークスが懐から出した本が気になって梓は爆豪から離れるとひょいっと覗いた。


「異能解放戦線…」

「?」

「いやね!知ってます?最近エラい勢いで伸びてるんスよ。泥花市の市民抗戦で更に注目されてて!昔の手記ですが、今を予見してるんです。限られた者にのみ自由を与えればその皺寄せは与えられなかった者へ行く、とかね。時間なければ俺マーカーひいといたんでそこだけでも!」


ニコリともせず本をチラつかせながらそう言うホークスに梓は意外だなぁ、と思いながら本と彼を交互に見た。
彼の人となりを把握するほど面識がある訳ではないが、思わず意外だなぁと思ってしまうし、異能解放だなんて、争いの種にしかならない思想を布教しているのも、なんだか違和感がある。


「デストロが目指したのは究極あれですよ。自己責任で完結する社会!時代にあってる!」

「何を言ってる…」

「そうなればエンデヴァーさん、俺たちも暇になるでしょ!」


いつもならニコリと笑ってくれる気がするのに。
笑わずに、自分と一切目を合わせずに「読んどいてくださいね」と真剣な目でエンデヴァーに本を差し出したホークスに梓はますます不思議そうに首を傾げた。


「No.2が推す本…!僕も読んでみよう。あの速さの秘訣が隠されてるかも…」

『異能解放…ううーん、前に何かで読んだな。…なんだっけ、最近色々九条さんに詰め込まれすぎて忘れた』

「ハッ頭良くねえくせに無理すっからだよ」

『なにおう!その分心操が勉強してくれると思うし側近になったハルと西京もいるんだからね!』

「他力本願じゃねェか」


爆豪に馬鹿にされてむきーっとしていれば緑谷の声を聞きつけたホークスが「そんな君達のために持ってきてました」と懐から人数分の本を出し配り始める。


「用意が凄い!どこから!」

「そうそう時代はNo.2ですよ!速さっつーなら時代の先を読む力がつくと思うぜ!」

「この本が大好きなんですね…。こんなに持ってるなんて」

「布教用だと思うよ」

「そゆこと、緑谷くん。全国の知り合いやヒーローたちに勧めてんスよ。これからは少なくとも解放思想が下地になってくると思うんで」


そう言いながらホークスはカツカツとエンデヴァーから離れるとバサッと羽を広げた。


「マーカー部分だけでも目通した方がいいですよ。2番目のオススメなんですから」


そう話す彼の口調はいつも通りなのに顔は真剣そのもので、思わず梓は追いかけて飛び立ちそうな彼のジャケットの裾を掴んだ。
「4人とも、インターンがんばってくださいね」と言いかけたところでぐいっと梓に引っ張られてホークスは後ろにバランスを崩す。


「おわっ」

「梓ちゃんどうしたの!?ホークスさんの迷惑に…」

『……、』


思わず掴んでしまった。まだ行かないでほしくて、違和感が拭えなくて、何も考えずにとっさに掴んだものだから驚くホークスの目と目がかち合う。


「『……』」


目を合わせたまま暫く無言だった。
ホークスの目は、驚きとともに拒否するような色が宿っていてあれ?もしや嫌われてる?と思いつつ、
なんて言おう、何を言おうとして引き止めたんだっけ、と梓が若干パニックになり始めた時、
何故かフォローするようにニカリとホークスが笑った。


「お、流石は次代を見据える守護一族の御当主様!もしかして異能解放戦線に興味持っちゃった?」

『……』


そんな訳がない。まだこの本を読んだわけではないが、異能解放戦線だなんて、自己責任で武力行使だなんて、争いの種にしかならない。
ホークスはうちの成り立ちと理念を知っているはずだ。夜間飛行で一族の教示を知り、九州で守護の意志を身をもって知って、イカれていると言っていたはず。

なのに、私が興味を持つわけがないのに。
思わず眉を潜めて首を横に振り、


『そうじゃなくて、ホークスさん、ど、』


どうしちゃったんですか、と言葉を紡ごうとしたところでホークスの笑みが消えて強い目で睨まれたものだから思わずぐっと口を噤む。


「ど?なに?噛んじゃった?いやぁ、君がこの本に興味持ってくれるのは大歓迎なんだけどな!この思想がこの先の時代を作ると思うんだけど、なかなか若い子たちに浸透しなくてねぇ、どうしたものか」


ホークスは緑谷たちに見えないように顔を背けつつそう言いながら、悩むように顎に手を置いた彼の人差し指が少し伸ばされ、ちょうど唇に当たって、まるで「黙れ」の合図のようで、そこでやっと梓は合点がいった。


(何か警戒してる)


何かはわからないし、ホークスが何をしようとしているのか言葉の真意もまだわからないが、彼がいま自分に求めているのは黙ることだと思った。
自然に、黙るしかない。


『そうですか。読んでみます』


ぐっと本を抱きしめれば、いい子、と頭を撫でられ、最後に優しい笑みを浮かべてホークスが飛び立っていく。

地上に残された梓は、得もいわれぬ焦燥感を感じた。

_160/261
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