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難解な恋のフラグ


整理し終わった顧客ファイルを所定の位置に収納し、再度明日のスケジュールを確認する。
私のビジネス手帳は文字で埋まっているが、ところどころに隠語が混じっている。それはイニシャルだったり単語だったりするけれど、普通の人が見ても意味の解読できない部分が大半と思われる。これは秘書の心得と言うものだ。
明日も専務の朝は早い。
ふう、と溜息をついて壁の時計に目を遣れば午後23時を回るところである。眼鏡を外し、化粧ポーチを取り出してファンデーションの鏡を覗けば、目の下に黒々としたクマさんが一匹、二匹。
「クマさんとの付き合いも長いな」と一人ごち完璧に化粧を直して、ポーチの入っていた抽斗の奥に収まっているダース買いの箱から栄養ドリンクを一本取り出す。
喉を仰け反らせるように流し込んでいると、役員室のドアが控えめにノックされた。少し残ったドリンクの蓋を締め、机の上に置いて立ち上がる。

「お帰りなさいま……、」
「……俺です。みょうじさん、今少しいいですか」
「斎藤君? ……あ、」

不自然な恰好で立ち上がったところ、ドアから姿を見せた想定外の相手を見て、ついヘナヘナと椅子に逆戻りした身体が起こした振動で、机の上のドリンクが倒れた。それはしっかりと蓋を締めていなかった所為で、少量残って居た中身が零れ出し机の端からたらたらと垂れ落ちて、スーツのスカートに小さな染みを作った。こちらに近寄りかけていた斎藤君の反応は異常に早かった。

「すみません、俺のせいで、」
「気にしないで。斎藤君のせいじゃない」
「しかし、」

避けようとした私にお構いなしに、端整な相貌を歪めた斎藤君は慌てて机の上のティッシュを抜き取り、私のスカートに手を伸ばす。更に想定外の状況に私は瞬時にして固まった。

「ちょ……っと……何を、」

いくら緊急時とは言え、これはない。あまりにも接近し過ぎだよ。
私よりも歳が5歳下のこの斎藤君と、こんなに近距離に身を置いたことは近年なかった。と言うより避けていたと言った方が正しいかもしれない。
紫紺の柔らかな髪が目の前でふわりと揺れる。心臓が跳ねる。随分と前の事になるけれど、過去に一度だけ触れたことのある、この髪……。
椅子に座った私の膝に屈み込むようにして、染みを取るべくティッシュを叩き込み始めた斎藤君の手が不意に止まった。今度はそのまま一刻フリーズする。
彼自身も慌てるあまりの不本意だったのか、自分の行為を一拍置いてやっと把握したと言うところか、出し抜けに顔を上げた彼の透き通るようなブルーの瞳が一瞬貫くように私を見た。
なんという光景だろう。
至近距離のそのブルーに私は眩暈に似た感覚を覚えた。

「俺は、重ねて失礼をっ、」
「あ、いいえ、大丈夫」

声を上擦らせ斎藤君が茹で上がったように耳まで真っ赤に染めたのと、少し離れた背後のドアが開いたのは同時だった。彼が弾かれたように立ち上がる。

「土方専務……っ、」
「何やってんだ、お前ら」
「お、お帰りなさいませ、専務。違うんです、ちょっとした事故です」

意味深な笑みを浮かべる土方専務に言葉を返す私の隣で、凍り付いたままの斎藤君は青褪めて、先程までの真っ赤と混ざったような紫の顔色をして目を泳がせている。
体調が悪くなったのかしらと刹那見遣ってから、手早く彼の手にまだあったそれをダストボックスに入れ、新しく抜き取ったティッシュで机の汚れを拭い取り、完璧な笑顔を浮かべたつもりの私を、専務は人の悪い顔でニヤニヤと見つめた。
専務を尊敬しているが、偶に見せるこの表情だけは苦手なのだ。こんな時の顔はまるで営業二課の沖田君のようだと思う。沖田君というのは斎藤君と同期入社で……、脳裏に一瞬だけ過った映像を、意識する前に振り切って私は体勢を立て直した。

「お疲れ様でした。お茶をお淹れしましょうか」
「いやいい。みょうじ、21時過ぎたら帰っていいっつってんだろ、いつも」
「いいえ。専務が外出をされているのに、先に帰宅するわけには参りません。明日のご予定の確認もありますし」
「ありがてえけどな、お前も女だ。帰りが遅くなると色々問題あるだろ。で、斎藤は俺に何か用だったのか」
「は、いいえ。俺の方は大した要件ではありませんので、」
「じゃあ、そっちはまたでいいな。みょうじ、ちゃっちゃと済ませるぞ」
「はい。では早速ですが、」





土方は溜息をついて奥の自分のデスクに深々と腰掛ける。なまえは眼鏡を掛けずに壁の時計に目を走らせ、手帳を繰りながら彼の机の前に立った。いつもきちんとしているなまえのスカートに薄っすらと染みがついているのを珍しく思った。
土方が専務を務めるこの株式会社新桜エンジニアリングの前身は、社長である近藤と二人で立ち上げた小さな警備会社だったが、十五年ほど前から頭角を現した人材派遣業界に目をつけて手を広げこれが大当たりし、雇用環境の悪化や規制強化など厳しい時期を乗り切って、現在では年商百億の人材アウトソーシング企業へと成長した。
元々は受付業務をしていたなまえは古参社員の一人として、現在では専務秘書を務めている。
心なしか肩を落として先刻出て行った斎藤は土方の大学の後輩であり、現在は彼の片腕として営業部を統括する生え抜きの一人だ。最も信頼のおける部下と言えた。
土方は自分自身が動かないと落ち着かない性分の所為で、なまえを初め部下にも苦労をかけていると自覚はしているが、彼らを苦楽を共にしてきた仲間だと常日頃認識している。とんでもなく忙しい毎日だが業績は順調だ。
しかし土方には少々悩みがあった。仕事のことではない。悩みと言うには取るに足りないことではあるが、それは他でもないこのなまえと斎藤、真面目に馬鹿がつくこの二人の所為だ。

「では、明日の朝一で専務のお宅へ車を回します」
「いらねえよ、てめえで運転していく」
「ですが、専務……、」
「おまえは俺のお袋か?」
「は?」

なまえは信じがたいものを見るような目で土方を見返す。このくらい言ってやらねえとこいつはどこまでも俺について来ようとする、仕事熱心なのもいいが……と土方は殊更に冷たく言い放った。
明日は土曜であり予定と言ってもそれは打ち合わせと称した単なる接待ゴルフである。

「明日は着いて来るな、命令だ」
「ご命令でしたら、不本意ですが、明日は失礼します」
「それでいい。おい、まだ残ってるんだろ、斎藤?」

土方はさっさと話を打ち切ると席を立ち、隣の営業部に続くドアに近づいて開け放った。何やら資料に目を落としている男が一人、あからさまに手持無沙汰な様子で、まるで待っていたかのように顔を上げる。

「はい」
「お前、車だろう。こいつを送って行け。俺は出かける」
「いいえ、私のご心配はいりません。専務はこれからどちらへ?」

ったく、こいつは。
彼女を一瞥してから返事をしたきり口を閉ざすもう一人の部下に、土方は呆れるとも憐憫ともつかない表情を投げた。斎藤は切なげに土方の秘書を見つめていたが、やがてその視線を土方に移す。妙に澄んだブルーの瞳が若干情けなさそうに揺れる。ムラムラと腹が立ってくる。
大体だ。お前がしっかりしねえから俺がこんな事まで、ああ、畜生。
土方は再び大股でデスクに戻り電話の脇のファイルから紙を一枚抜き取ると、ボールペンを手に取り走り書きしたものを再びファイルに挟んで斎藤に投げつけた。そして首だけでなまえを振り返る。

「俺はプライベートで呑みに行くんだよ。せっかくこいつが残ってんだ。ゴチャゴチャ言ってねえで送られてろ。これは命令だ」
「…………」
「斎藤、そりゃ急ぎの資料だ。目を通しとけ」
「急ぎでしたら、俺も、」
「カーッ! もう、うるせえんだよ、着いてくるな! 今すぐ読め! 俺は行くからな!」

十中八九、共にと言いかけたのであろう斎藤を遮り、いい加減に馬鹿馬鹿しくなった土方は茫然とする二人を残し、荒々しい足音を立てて部屋を出た。全くどうして俺がここまでしてやらなきゃなんねえんだよ、と悪態をつきたいのを我慢して。





土方専務には完全に見抜かれていたと言うのか。俺がこのような時間までオフィスに残って居た理由も、これまでひた隠してきた感情すらも。
俺達の業務は慢性的に多忙だ。寸暇を惜しんで仕事をしてきたおかげで今の新桜エンジニアリングの繁栄がある。俺はここまで会社を育て上げてきた土方専務を心からリスペクトしている。それは並大抵のことではないと思っている。
しかし、このような個人的な事柄においてまで心労をおかけしていたとは、俺と言う男は全く不甲斐ない。
地下駐車場に下りるエレベーターの中で、ファイルの中身を目にした俺は項垂れた。
みょうじさんにかつて想いを告げ断られたことがある。その経緯を専務はご存知ではあるがそれはもう5年も前の事だ。俺はまだ入社一年目の新人だった。
受付に座っていたみょうじさんに一目惚れをした。それは生まれて初めての気持ちであり、それから間もなく専務秘書となったみょうじさんは、専務と同行する事の多い俺にも何くれとなく気を遣ってくれたものだ。いつしか淡い憧れが本気の恋心に変化していったとしても何ら不思議はないだろう。
その年の暮れ、俺は若気の至りから忘年会の席で告白紛いのことをしてしまった。その結果は玉砕、あっさりと振られたのだ。
完膚なきまでに落ち込んだ俺は、それ以来仕事一筋に打ち込んだ。以来みょうじさんの名を口にすることもなく、感情を表に出した覚えなどもなかったが、土方専務にはお見通しだったようだ。
俺の想いはあの頃と何一つ変わってはいない。
みょうじさんが何故俺を拒んだのかは、俺なりに理解していたつもりだ。入社したてのまだ何のスキルも経験も持たない駆け出しの俺を、彼女が受け入れてくれるわけなどなかったのだ。だからこそ俺は。
それにしてもたった今、エレベーターの狭い空間の中、互いにドアに目線を向けながら箱の端と端に立つみょうじさんと俺との距離は明らかに不自然だ。先程の軽率な態度の所為で警戒されているのだろうか。
だがそれでも俺は、なけなしの勇気を振り絞って彼女に声をかけた。

「俺に送られるのは迷惑ですか」
「いいえ……そんなことは」

何を言っているのだ、俺は。
大人の余裕なのか、きちんと応えてくれるみょうじさんではあるが、俺と目を合わせようとはしない。だが今を逃したら次にいつ二人で向き合えるかも解らない。元より俺は今日彼女と話をする為に役員室に赴いたのだった。
土方専務に渡されたファイルを、俺はねじ曲がる程握り締めた。





「お独りですか」
「ああ、面倒な部下からやっと解放されたとこだ。独りは気楽でいい」
「この間仰っていたお二人の事ですか」
「目は口ほどに物を言うって諺があるが、ありゃ本当だな」

ごく偶に立ち寄るだけの店だが、座り心地のいいカウンター席に独り腰かければ、馴染みのバーテンダーが控えめに声をかけてくる。取り留めのないぼやきにも心得たような返事を返してくれるのが心地よく、ゆったりとした時間の過ごせるそこを土方は気に入っていた。
ついさっき斎藤に渡したファイルに挟み込んだ、殴り書きの紙切れを思い浮かべる。

『とにかく押せ。聞き分けがないようなら押し倒せ』

少々乱暴な言い方ではあるが、斎藤にはあの位で丁度いい。何しろ口ほどに物を言うあの目が、全く通用しない相手だからな。なまえって女は。
それから次に思い浮かんだのは、これまでに何度となく見たなまえの手帳の中身だ。秘書としてのなまえの最大の武器とも言えるもので、それは土方の命綱でもあるから当然何度か目にしている。
『S』と共に『B』の文字が時々書き込まれていたが、『S』が土方を指していると言う事は以前から解っていた。『土』を英語にした『soil』の頭文字だ。しかし『B』が何を指すのか、それは長い間解らなかった。唐突に解ったのはついさっき、あいつの瞳を見た瞬間だ。全く以て馬鹿馬鹿しい。

「何をお作りしましょう?」
「そうだな、……ブルームーン」
「かしこまりました」
「ここから先はてめえらで何とかしろってな」

青い月と言う名のカクテルはジンベース、バイオレットリキュールとレモンの香りが爽やかで、ブルーと言うよりは淡い菫色が美しい。目の前に置かれたカクテルをチラリと横目で見る。

「お察しします」
「余計なこと言うんじゃねえよ」

バーテンダーは当然、ブルームーンに込められた意味を知っているだろう。
大して酒に強くない土方は、華奢なグラスを武骨な手で掴むと、一息に飲み干した。





私の脳裏にずっと忘れていた、と言うよりも忘れようと努めていた光景が嫌でも甦る。
斎藤君の運転する車の助手席で、私は息が詰まりそうだった。彼がハンドルを切る度にチラチラと目の端に映る柔らかそうな紫紺の髪。それからつい先刻何年振りかで真っ直ぐに見つめたブルーの瞳。
いつもの自分ではないのを感じる。心臓が口から飛び出すんじゃないかというくらい、ドキドキしている。
心を落ち着ける時の癖で思わず指先を眼鏡のブリッジに当てようとすれば、今更ながら自分が眼鏡をかけていない事に気づいた。
私は近視だけれどコンタクトレンズ使用者であり、実はいつもかけている眼鏡は伊達だった。私にとって眼鏡はこのスーツやメイクと同じ、一種の武装だ。
化粧直しをした時に外してそのまま、机に置き忘れてきてしまったのだ。「眼鏡……、」呟くのと斎藤君が車を路肩に寄せてゆっくりと停車させたのは、ほぼ同時だった。
身体を固くしてつい身構えると、斎藤君が押し出すような掠れた声を漏らした。

「話があります」
「な、何?」
「あの時の事を覚えていますか」

エンジンを切った彼がゆっくりとこちらを向く。怖いほど真剣なブルーが突き刺さる。
あの時?
あの時って、斎藤君が回りの同僚に乗せられて、酔った時のことを言っているの?
あの時、彼は私に、あろうことか……。
あれは何かの罰ゲームだったんでしょう?
傍で悪戯に笑っていた沖田くんの笑顔までついでに思い出した。受け流そうとしたけれど上手く行きそうもない。思い出しかけた忌まわしい記憶を振り切るように、私は首を振った。

「車を停めるなら降ります」
「今でもそれ程までに、俺を嫌いですか」
「…………」

忘れようとしても忘れられない嫌な記憶が止めようもなく渦巻く。
それは5年前の忘年会と称した呑み会で強かに呑んで酔わされた斎藤君の、あの頃まだ社会人一年目だった彼の口から放たれた言葉。後輩達に連れ出され付き合った二次会の席だった。

「あなたが好きです」

一体どうしてそんな顛末になったのかは覚えていない。恐らく悪酔いした仲間にけしかけられたか何かしたのだろう。ふいに近寄ってきた斎藤君が、皆の前で私にそう言った。そしてその時何かに躓いて私に倒れ込んできた。
彼の身体を受け止めた時起こった、周りの女の子達の黄色い声に混じった失笑を、今でも鮮明に思い出せる。
彼は端麗な容姿とその仕事ぶりから、あの頃も今も変わらずに社内では隠然と人気があり、特に若い女子社員から熱烈な支持を受けているのだ。
だけど彼自身は浮わついたタイプには見えなかったし、生真面目な性格を知っていたせいもあって、私も御多分に漏れず当時彼に憧れた一人だった。だけどそんな事は今だかつて誰にも話したことはない。言えるわけがない。私は彼より5歳も年上なのだ。
あの時彼は私の上で私の瞳を真っ直ぐに見つめて更に言った。

「結婚したいと思っています」

頬に触れた彼の柔らかな髪。囃し立てる声と「それは何の罰ゲームなんですかあ?」という嘲笑が耳に飛び込む。耐え難い羞恥と動揺でいたたまれずに、私は斎藤君の身体を突き飛ばしていた。

「年下になんか興味ない。馬鹿にしないで!」

次の瞬間、私を振り仰いだ怒りとも悲しみともつかないブルーの瞳も、忘れてなんかいなかった。
あの時と全く同じ色の瞳が今、目の前で私を見据えている。目を逸らすことを許さないと言わんばかりに私を射抜く。

「酒の席で失礼な事をしたと自覚しています。しかし俺はあの時酔っていたわけではない。本気の告白でした」
「……何、言ってるの、」
「悪いのは俺です。だが、傷ついた」
「やめて。傷ついたなんて」
「あなたに負けないスキルを身に着ける為、あれから必死で仕事をした。歳の差は変わらないかも知れぬが、あの頃と同じではない、俺は……、」
「またからかうつもり?」
「また? からかったことなど一度もない。俺がいつ、あんたを」

シートベルトを外してドアを開けようとした手が、それよりも早く伸ばされた手に掴まれる。振り払おうとしたけれど、覆い被さるように近づいた斎藤君のもう片方の手で肩を掴まれて、身動きも叶わずに強い瞳に再び囚われた。
20センチ、焦点の合わなくなるギリギリの距離で深いブルーの瞳が食い入るように私の瞳を見つめている。
その強い光に抗うように、思わず目を伏せた私の唇から漏れたのは、自分でも情けない程か細く頼りない声だった。

「……年が違い過ぎる。からかわれているとしか、」
「からかう余裕などない。5歳も年が下の男にはあんたに、なまえに求婚する権利はないのか?」
「きゅう……こん?」
「プロポーズという意味だが」
「意味は知ってる……、」
「そうか、ならばよい。あの時も今も俺は本気だ。信じて貰えないか」

気づけば有無を言わせない腕に閉じ込められていた。斎藤君の腕は強くて逞しくて、その胸はこの上なく温かかった。
だけど微妙に話がズレている。しかもいつの間にか敬語じゃなくなってる。一体斎藤君の、何のスイッチが入ったんだろう。
今時プロポーズのこと、求婚て言わないよね? それよりも何よりも求婚する前に、取り敢えず私の意向も確かめてよ。
そんなツッコミがチラリと過ったけれど、私は自分の目から溢れだしたものに改めて動揺して、もう何も言うことが出来なかった。それはどう誤魔化しようもなく彼の胸を濡らしている。

「あんたを好きだ。なまえ、」
「私……、」
「なまえをずっと好きだった」
「……たし……も、」

吐息よりも微かな音で答えた私の言葉を、ちゃんと拾ってくれた斎藤君は、抱き締める腕に力を込めて、好きだと何度も私の名前を繰り返した。


2014/02/11


土方視点『カリフォルニアレモネード』SHORT STORY


▼カズミ様

この度は20万打企画にご参加いただきましてありがとうございました!
大変長らくお待たせいたしました。ここのところ、リクエスト作品では特に挙動不審な斎藤さんが続いており次こそカッコよく!と思いきや、野望虚しく又してもちょっぴりアレーな斎藤君ですね(;∀;)スミマセン!!←先に謝る。
カズミ様からいただいたリクエストは『オフィス設定、土方秘書、年の差を気にする年上ヒロインに斎藤プロポーズ、見守る土方』とこのようになっておりましたが…私、どこか履き違えていますでしょうか(;∀;)この設定でどうして斎藤さんがアレーなのかしらん。しかしですね、今回初めての(多分)年下!年下!年下!とこの部分で張り切り過ぎまして、かなりの年下設定となってしまいました。いや、しかし、トキメキました!
敬語で苗字にさん呼びの斎藤君(//∇//)なまえちゃんはキリッとした出来る年上女性をイメージしていたのですが、それ、途中から迷子になりました。そして見守る土方さんが、どことなく見守るだけではなかった的な…?脱線を軌道修正するのに苦心しました。裏設定としまして斎藤君はこの日実は(言われなくても)元から告白する気でいたわけなんです。そこに土方専務のエールがプラスされてスイッチがガッツリ入ったんです。それってどこスイッチ?取り敢えず敬語がブッ飛んでしまうスイッチです。本編で説明しきれずになまえちゃんが突っ込んでくれています(;∀;)スミマセン、マッタク。
ついでに土方専務のエールも若干ヤケクソ気味です。もう一つどうでもいい裏設定ですが、接待ゴルフの相手は風間商事の御曹司でした。字数が酷いことになったので削らせていただきました。それでもかなりの長さです(;´・∀・)
というわけでカズミ様、このようになりましたがいかがでしょうか。
この度は萌え転げるリクエストを頂き本当に楽しかったです。ありがとうございました( *´艸`)

aoi




MATERIAL: SUBTLE PATTERNS / egg*station

AZURE