04「、あー…、それで」 「うん?」 「アレからは何とも無かったか?」 「何ともって……」 「黒崎」 「っ…」 そうだった……。 「やっぱり一度……」 「本当、もう大丈夫だから……」 心配かけてごめんねと話を終えれば、納得のしていないだろう顔で頷いてくれた。 昨日、旅禍君達が現世に帰って行った。 恋次君に至っては、彼等にスッカリ打ち解けて、尸魂界に居る間の殆どを共に過ごして居たけれど……。 其のお陰で、頻繁に六番隊に出す旅禍君の物言いた気な視線から逃れるのに、日々胃を痛める羽目になったのは内緒の話だ。 『黒崎と何か有ったのか?』 旅禍君め…… あんなあからさまに物言いたげな視線を向けて来るから……。 何か有ったら直ぐに言えと、檜佐木君に心配されたくらいだ。 「………………」 私は、旅禍君の物言いだげな瞳が苦手だった。 人前で無遠慮に話し出すような子では無いけれど……。 無い、けど……、 『見付けた』 『えっ?なっ、きゃあああああっ!?』 『おいっ 四宮っ!?』 急に現れたと思ったら、此処じゃアレだからと抱き上げられて瞬歩で連れ去ろうとするから困る。 『ちょっ、何でっ』 『モタモタしてたら剣八に見付かんだろーがっ』 って、知らないよっ 『降ろ、し』 『だから待てねぇって言っ…………』 『………………』 私の声なんて丸無視の旅禍君の肩を、何処か憮然とした体で止めて無言のままに威圧する。 本当に檜佐木君が傍に居る時で良かった……。 あの手段を選ばないところまでが、っ……… 「私は、莫迦だ……」 「四宮?」 「ううん……」 ……恋次君、と、似ている そう思った。 |