陸「紗也……」 「…………っ、ぁっ…っ」 「声、聴かせて……」 キツく、瞳は閉じたまま、ふるふると顔を横に振る紗也に、また一つ口付けを降とした。 溢れ出る涙を舌先で追って、そのまま首筋を辿る。 その刺激に紗也が身動いたのが解って、下肢を弄ぐる掌は止めないまま双丘へと降りて尖端を食んだ。 「―――……っ」 途端に跳ねる躯を抑え込んで、刺激から逃がしてもやらない。 「紗也……」 声を、聴かせろ――… 好きです ごめんなさい そればかりを繰り返す紗也を、自室へ連れて帰った。 草履を脱がしてやる間も、縋り付くように俺から離れない紗也を抱き上げて部屋へと入る。 紗也を、その理由が解るまで――… 泣いて、ぐちゃぐちゃになった顔に優しく触れて口唇を食めば、小さな声が俺の名を呼んだ。 その涙の理由を知りたいと心が焦れる。 問い質したいことは山のようにあって…… それでも、今、消えてしまいそうな紗也の慟哭を、取り去ってやりたいと思った。 もっと傍に居たかった…… 何でだよ……。 何で、終わりみたいに云うんだよっ 俺を好きだと言う紗也が壊れそうな程に泣く。 その理由が解らない。 「好きだ………」 何度も何度も、想いを繰り返し告げるのに。 「修、兵……」 俺の熱を受け入れるのに…… 紗也の瞳は絶望の色を宿したままだ。 ずっと、好きでした。 ほんの少しでも傍に居たくて、偶然見掛けたあの場所で時間をずらして鍛錬をするようになったんです。 思いがけずお話しすることが出来て、一緒に居られる時間が出来て……。 幸せ過ぎて罰が当たるんだろうって思ってました――… 俺への想いを、まるで懺悔のように告白する。 これが最後だと云わんばかりの紗也を、壊れる程に抱き締める。 どうか、この腕の中から消えてしまわないようにと――… |