06
「よぉ」
「………」
驚かねぇのと口を尖らせるこの人は、自称も他称も本物の死神さんで、あの日以来3日と空けずに私のところに顔を出す。
「その、‘ごてい’って組織は何人構成なんですか」
「興味有んの?」
「有りません」
ただ、私の記憶が確かなら、この人も阿散井さんも副隊長だと名乗ったはずだ。
「副隊長って百人くらい居るのかと……っだから痛いっ」
「な訳無ぇだろ」
莫迦にしてんのかと怒っているけど、だったら何でこんなに頻繁にやって来る。
「いっつも来てるじゃないですかっ」
暇なんですねと言えば、手前ぇ…と口元を引き吊らせる。
俺は忙しいんだっつーのと喚くから、耳を塞いでやった。
忙しいなら来なきゃ良い。
とまでは言わないのは、一応心配してくれて居るのが解るから……
「黒崎君が居るから大丈夫ですよ」
それに何故か数名プラスされた。
すっかり誤解の解けた、見た目に反して情に熱かった黒崎君は、何かと気に掛けてくれている。
「もう、そんなに気にしてくれなくても……」
元々この人だって、そのつもりだったんだろうし……って、
「どうしたんですか?」
この人にしては珍しく、黙り込んだのが気になって声を掛ければ……
「子供?」
「るせぇな」
不機嫌を絵に描いたような、大っきな子供が其処に居た。
「責任感で来てる訳じゃねぇよ……」
「何か言いました?」
「……別に」
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