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  15


結局、何をしに来たんだか。


きっちり一時間半の睡眠後、ムクリと起き上がった死神が


「明日、出掛けるからな」


そう宣言して帰って行った。




『は?』

『15時な』

『いや、だから』


私の都合は無視ですかっ


理由も目的も一切言わず、時間と場所だけを指定して解錠を唱えるから、ちょっと待ってと引き留めた。

正かこの為にだけ来たんですかと問えば、悪ぃかよと不機嫌そうな顔をする。


悪く……、は無い。


けれど、あんな所で寝てしまうほど疲れて居るのにと思えば、胸がギュウッと締め付けられた気がした。


『とにかく、知らねぇヤツに付いて行くなよ』

『だから私はっ』

『ガキだろ』

『っ――…』


振り向き様に、言いたい事だけを言い放ち。
こっちの話なんて聞きもしない……。


「何なんだ……」


そう思いながら、ほんの少しニヤける顔。
あの人の、少しだけ照れたように見えた顔に期待してしまう。


バフッとベッドに倒れ込みながら、誰に見られる訳でも無い紅い顔を覆い隠した。


誰かと出掛けるなんて久しぶりだからだと自分に言い訳をして瞳を閉じた……。




耳に渦巻く、戦慄くように降り頻るのは雨では無い。刹那に種を求める為の慟哭だ。


「煩いよ……」


眠れない夜に、言い訳をして遣り過ごす。


晴れなくたっていい。


きっと私は、雨でも、何でも良いんだと――…






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