「真夏日」
ク「暑い。ショートする。発熱する」
遊「そのまま爆発してしまえ。ド派手にな」
ク「おい、セキュリティ呼べ」
ブ「はいはい、仲良いね。遊星、アイスティー淹れたよ」
遊「有難うブルーノ。ついでにクロウを爆破してくれ」
ク「暑くて苛々してるからって俺にあたるな」
遊「苛々?なんのことだ、俺はいつも通りだ」
ク「そうかいつも通りか。机の角で頭ぶつけろ」
ブ「はいはい、そろそろやめよう。ね?」
ク「暑すぎるんだよ。機械に暑さはダメだろ。おい、システム職。聞いてんのかシステム職」
遊「システム職だが、何か不満でも?」
ク「不満だらけだ職務怠慢」
ブ「だーかーらー、落ち着いてって…っ」
――ピンポーン
ブ「助かった!お客さんだ!」
ク「おい、本音出てんぞ」
遊「ブルーノも素直な奴だな」
ブ「はいはーい!」
ア「こんにちは」
ブ「あ、アキさん!いらっしゃい。遊星なら中に居るよ」
ア「本当?良かった、連絡せずに来ちゃったから、いなかったらどうしようって思ったわ」
ブ「もっとも、クロウといつも通りの会話繰り広げてるけどね…」
ア「飽きないわね…」
ブ「マスター、お客様ですよー」
ア「こんにちは」
遊「なんだアキか?どうしたんだ?」
ア「ちょっと、私のノートパソコンの調子が悪くて…遊星に見てもらおうと思って。連絡ぐらいすれば良かったんだけど…」
遊「いや、気分転換には丁度良いさ」
ア「それからこれ、アイス買ってきたの。差し入れに」
遊「悪いな、有難う」
ク「冷蔵庫に入れてくるな」
遊「入れるスペースが無かった筈だ。肉があったら出しておいてくれ。それを今日の夕飯に使うから」
ク「へいへい…」
+++++++++++++++++++++
遊「どうやら、熱さでモーターがやられたみたいだな」
ア「直りそう?」
遊「大丈夫だろう。モーターをもう一度付け直す。今日中には直るさ」
ア「それなら良かった」
ブ「アキさん、アイスコーヒーでもどうぞ」
ア「有難う」
ブ「なんか、さっきからクロウ静かだね?」
ク「暑さで…プログラム消えそう…」
ブ「えぇっ!?僕はそんなに暑いとは思わないんだけど…」
遊「ブルーノは新型だからな。夏場の籠る熱を外に逃がす機能が搭載されているんだ。旧型のクロウにはそんな機能などない」
ブ「それを知ってて放置?」
遊「ぐったりしているクロウが大変愉快だ」
ク「このドS」
遊「お前に言われたくない」
ア「でも、本当に辛そうだけど…大丈夫なの?」
遊「水でもぶっ掛けてやろうか?」
ク「おい、システム職」
ア「暑いって、身体に熱が籠ってる感じ?」
ク「そんな感じ」
ア「だから少し息が荒いのかしら?」
ブ「人間に例えると、高熱に魘されてるのと一緒だからね」
ア「どうにかできないの?」
遊「熱を発散させるようなことをすればいい」
ア「例えば?」
遊「身体を冷やすとか…逆に運動するとか」
ク「よし、遊星面貸せ」
遊「持ち主を殴ることは熱発散とは言わない、ストレス発散という」
ク「ストレスは認めてんのかよ」
ア「身体を冷やすしかないんじゃない?」
遊「じゃあ、氷水に沈めるか」
ブ「マスターが言うと、なんかイケナイことに聞こえるよ」
遊「これが一番得策なんだぞ!?」
ク「日頃の行いだろ、ざまぁみろ」
遊「予定変更。熱湯に沈めるぞ」
ク「おい、こら、沈めるぞ」
ア「全く話が進んでないわ…(ボソッ」
++++++++++++++++++++
ア「どう?少しは楽になったんじゃない?」
ク「あー……さっきよか楽…」
ブ「アキさんが結論出してくれて助かったよ。じゃないと、今頃ずっと同じやり取りを繰り返してただろうから…」
ア「……いつも思うけど、飽きないの?同じやり取りしてて」
ク「俺に聞くな」
ブ「なんというか…日課?みたいな」
ア「そんな日課聞いたこともないわ」
ブ「不動家ではいつもの光景なんだ…ごめん」
遊「アキ、パソコン直ったぞ」
ア「本当?有難う、遊星」
遊「で?そっちの馬鹿携帯はどうだ?」
ク「お前マジで風呂に沈めるぞ」
ブ「クロウも、少しずつだけど熱を逃がしてるよ」
遊「それほど時間がかかっても困るな。仕事にならないじゃないか」
ク「何もしないお前が言うな」
遊「仕方ない、俺が直々に直してやろう」
ク「うわ、壊されそう」
遊「なんだと?俺はシステム職だぞ?お前ぐらい余裕だ」
ク「なら最初からそうしろよ」
遊「面倒臭い」
ク「真顔で言ったぞこいつ。誰か弁護士呼んでくれ」
ブ「いつもこんな感じなんだ(ボソッ」
ア「そう、楽しそうね(ボソッ」
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