「酔いどれ」








遊「俺は子供の頃から、自分の考えたプログラムで機械を操作するのが夢だった。
 何をするにも俺の命令を聞き、何をするにもその機械は忠実な俺の助手……」


ブ「うんうん」


遊「そして出来上がったのが……これだ」


ク「おい、そこで幻滅した顔で俺を指差すな」


遊「何処から間違えたのか。いや、親父のせいなのは明確なんだがな」


ク「俺もある意味被害者だってことを忘れるなよ」


遊「俺の夢は儚くも潰れたわけだ。頼れるのはブルーノ、お前しかいない」


ブ「遊星……っ、僕頑張るよ!」


ク「………(イラッ」


ブ「でも遊星?そんなに言うなら、クロウのプログラムを戻せば良いじゃない」


遊「………その発想から逃げてた」


ブ「なんで?」


遊「次失敗したら、クロウがどう進化するのか…少々怖くてな」


ブ「大丈夫だよ、クロウはすでに怖いから」


ク「(バシッ)」


ブ「痛い!暴力反対!」


遊「とりあえず、俺はこれから食事会に行く。留守番頼むぞ」


ブ「はぁーい、行ってらっしゃい」


ク「食い過ぎて倒れろ(ボソッ」


遊「充電し過ぎて爆発しろ」


ク「お前の方が辛辣じゃねぇかよ!!」













ブ「クロウ、洗濯物畳み終わったよ」


ク「こっちも掃除機全部掛けたぞ。後は…風呂掃除と皿洗い…」


ク&ブ「「ジャンケンポン!!」」


ブ「よっし!僕の勝ち!風呂掃除してきますー」


ク「く…っそ……」















ク「遊星が居ないってのは…平和だな」


ブ「それ、クロウだけでしょ?僕はつまんないよ」


ク「普段どんなに俺が苦しい思いをしてると思ってんだ」


ブ「いや、お互い様ってところもあるでしょう?」


ク「お互い様…ねぇ?」













――ガチャッ









不「ただいまー」


ブ「お帰りなさい、不動博士。食事会はどうでしたか?」


不「それがねぇ……」











遊「クロウ〜〜っ!!(ガバッ」


ク「むぐっ!!?」









ブ「………!?」


不「あーあ……」


遊「クロウ〜可愛いなぁ〜お前は〜…(ワシャワシャ」


ク「な、なんだ!?何事!?今俺に何が起こってるんだ!?ぐっ、苦しいっ」


遊「可愛いクロウ〜…可愛い〜…ヒック…」


ク「ちょっ、ゆうせ…っ酒臭ぇ!!」


ブ「お酒…飲んだんですか?」


不「正しくは、上司の皆さんに飲まされたんだよ」


ブ「遊星って、お酒弱いんですか?」


不「お酒飲めないからね。しかも甘え上戸なんだよ」


ブ「あーなるほど…」


ク「てかっ誰か止めろよ…ッ!!」


遊「……っ、クロウは…、俺が嫌いなんだな…っ」


ク「は!?」


遊「仕方、ないもんな……っ、今まで酷いことをしたから…ッ」


不「あぁ、ゆうくんは泣き上戸でもあるからね」


ク「先に言え!!」


ブ「遊星、とりあえず水飲もうか?」


遊「………ブルーノは優しいな…っ(ギューッ」


ブ「分かったから、遊星水飲んで。ほら」


遊「………ゴクッ」


不「早めに寝かせた方が良いかもね。暴走する前に」


ク「……暴走…?」


不「ゆうくんにお酒飲ませると、普段じゃ考えられない暴走をしちゃうからね」


遊「クロウ〜ちっちゃくて抱き心地が良いな〜(スリスリ」


ク「身長差そんなにねぇよ!!あぁ、もう!くすぐってぇな!!」


遊「……やっぱり冷たいな……。……ブルーノ、おいで」


ブ「はい、マスター(ギューッ」


遊「ブルーノは素直で良い子だな……(スリスリ」


ブ「くすぐったいよ、遊星ー」


ク「さっさと風呂に沈めてしまえ」


不「手荒だなぁー。このまま放置しておくと、次の日が面白いんだよ?」


ク「次の日?」


不「次の日になってみれば分かるよ」





+++++++++++++++++++









翌日






遊「…………」


不「……ゆうくん、昨日何をしたでしょうか?」


遊「……お父さん、ごめんなさい」


不「色々と後悔してて、思考回路が上手く働いてないんだね」


ブ「遊星、もう大丈夫?二日酔いとかない?」


遊「……ありません…」


ク「お前…甘え上戸と泣き上戸どうにかしろよ」


遊「……申し訳ありません…」


不「落ち込んでるゆうくんも可愛いよっ」


遊「…………(涙目」

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