「鉄砲玉とフィール君A」
ク「遊星、ちょっと手伝ってくんねぇかー?」
星「何を手伝えばいいんだ?」
ク「この荷物、ガレージに運ぶの手伝って欲しいんだ」
星「分かった、ここにある荷物全部で良いのか?」
ク「そ、頼むぜ!」
ク「よいしょ…っと、これで終わりだな。助かったぜ、遊星!」
星「これぐらいはやらせてくれよ、世話になってるんだからな」
ク「……ジャックもお前くらい働き者だったら良いんだけどよ…」
星「そんなに動かないのか?」
ク「動かないな」
星「……だから、この前ももう一人の俺がアッパーカットを決めていたのか」
ク「そんなことしてたわけ?」
星「同じ遊星だが、あの見事なアッパーカットは美しかった」
ク「遊星の奴、ジャックのおかげでどんどんリアルファイトが強くなってんな」
星「見てる分には楽しいんだがな」
ク「お前も慣れちまったってわけか。遊星の悪影響を受ける遊星って……っと、なんか言いにくいな。遊星って早口言葉言ってるみてぇだよ」
星「……俺が来てから、遊星を呼ぶ回数が増えたんじゃないか?」
ク「かなり増えたな。こんなに名前呼ぶとは思ってなかったぜ。それに、お前ら二人が揃ってる時は、どう呼ぼうか未だに分かんねぇんだもんよ」
星「イントネーションだけ変えるってのも、聞き分けが難しいしな」
ク「うーん……、そうだ!じゃあさ、今度から俺、お前のことは“遊”って呼ぶぜ」
星「……“遊”?」
ク「“遊星”と“遊”。単純だけどさ。“遊”って呼ばれるの、嫌か?」
星「いや、そんなことはないが」
ク「そんじゃ決まり!俺は今度から“遊”って呼ぶぜ」
星「“遊”か……あだ名みたいだな」
ク「あだ名で呼ばれることなんてないから、新鮮だろ?」
星「確かにそうだな」
ク「改めて、宜しくな!遊!」
星「あぁ、宜しく。クロウ」
ク「遊って呼び方、他の奴らが居ない時だけ呼ぼうかな…なんてな」
星「なんでだ?」
ク「俺だけの特権ってやつ?でもまあ、遊星には教えるけどさー」
星「ブルーノとジャックが寂しがるぞ」
ク「ジャックはどうでもいいけど、ブルーノは泣くかもな」
星「仲間外れにされたって?……想像はつくな」
ク「だろ?それを見るのも面白いじゃねぇか」
星「クロウも、遊星に負けず劣らずのドSだな」
ク「ここに居たら、お前も同類になっちまうぜ。覚悟しとけよ?」
星「……それは楽しみだな」
[ 21/211 ]
[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]