「ジャックとお留守番」
遊「というわけで、留守番頼む」
星「どういうわけなんだ」
ク「俺は今から宅配の仕事。今日は忙しいから、帰るのは少し遅くなるぜ」
ブ「僕は、今から牛尾さんと深影さんの所に行かなくちゃならないんだ」
遊「俺は修理の仕事が何件か入っている。必然的に留守番はお前たち二人だ」
星「最初からそう説明してくれよ」
JA「だったらさっさと行け。留守番は任せろ」
ク「心もとないけど、行ってくるぜ」
JA「何が言いたい!?」
ク「留守番頼むぞ、ニートキング」
JA「貴様ぁぁぁ!!帰ったら覚えていろッ!!」
ブ「じゃあ、僕も行ってきます」
遊「俺も行ってくる。留守番頼んだぞ」
JA「フン、俺に任せておけ!」
星「その間に、Dホイールの調整をしておく」
遊「あぁ、すまないな」
JA「コーヒーを淹れたが、お前もどうだ?」
星「あぁ、いただく」
JA「どの世界でも、遊星は遊星だな」
星「どういうことだ?」
JA「こっちの遊星と、やってることは全く変わらんと言うことだ」
星「……そうか」
JA「まあ、表情の豊かさはお前の方が上かもしれんがな」
星「そういえば、あいつは少し表情が硬いな」
JA「それをお前が言うか?」
星「俺はあそこまで硬くないぜ」
JA「ものは言いようだな」
星「俺はどの世界でも同じか…。他の奴は全く違うのにな」
JA「…お前の世界の俺はどうだ?」
星「……余り良い印象はないな。明らかに、お前の方が良いさ」
JA「ほぉ、嬉しいことを言うじゃないか」
星「正直、何でこっちの俺が、あんなにジャックに過激なのか分からないな」
JA「………何か言ってたのか?」
星「殴りたいとばかり言っているぜ」
JA「(カチャンッ)」
星「お、おい!カップを落としたぞ!」
JA「……まだ…根に持っているんだな…遊星…っ」
星「顔が真っ青だぞ?大丈夫か?」
JA「……なんでもない…」
遊「ただいま、留守番有難う」
星「いや、大丈夫だ。それよりもジャックが可笑しいんだが」
遊「ジャックの頭が可笑しいのはいつものことだ」
星「頭?いや、頭じゃなくて…」
JA「……遊星、話がある。俺の部屋に来てくれ」
遊「?分かった」
ク「ただいまーっと」
星「お前の帰りを待っていた、クロウ!」
ク「うおっ!なんだなんだ!?」
星「遊星とジャックが部屋に閉じ籠ったっきり、音沙汰ないんだ!」
ク「何か真剣な話でもしてんじゃねぇの?」
星「いや、入る時の二人の険しい表情が…」
ク「……、そろそろ遊星が部屋から出てくると思うぜ」
――ガチャ
遊「あぁ、帰って来たのか。おかえり」
ク「おう、ただいま」
星「本当に出て来た…」
ク「ジャックは?」
遊「気持ち良く寝てる。今から夕食作るが、食べたいものはあるか?」
ク「いや、任せるぜ。遊星も今日疲れたろ?夕飯は手抜きで良いぜ」
遊「じゃあ、簡単なもので良いか?手を抜くことはしないが」
ク「あぁ、なんでもいい」
遊「それじゃあ、出来るまで先に風呂に入って来ると良い」
ク「そうさせてもらうぜ」
星「……寝た?」
ク「いや、“眠らされた”のが正しいな」
星「どういうことだ!?」
ク「脳天にかかと落としでもお見舞いしたんじゃねぇの?いつものことだ」
星「……こっちの二人の関係はどうなってるんだ…」
ク「まあ、原因はジャックにあるからな。自業自得だよ」
星「原因?」
ク「ジャックも、遊星に酷いことしたってことだ。さーて、風呂入って来るかな」
星「(一体何があったんだ…)」
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