「お手伝い」








ク「配達行ってくるなー」


遊「あぁ、行ってらっしゃい。気をつけてな」


ク「おうよー」


星「クロウは仕事しているのか?」


遊「近々、WRGPというDホイーラーの大会があってな、その大会で優勝するためには新エンジンを開発しなくてはならない。そのためには資金も必要だ。だから、クロウが配達の仕事をしてお金を稼いでいるんだ」


星「働き者なんだな、あいつは」


遊「一番頑張ってくれてるよ」


星「お前も何かしてるのか?」


遊「修理の仕事をしながら、新エンジンの開発をしている。徹夜はお馴染だな」


星「優勝するためには、身体に鞭を打ってでもやるか。気持ちは分かるぜ」


遊「……良かったら、ここに居る間手伝ってくれないか?開発があまり進んでいないんだ」


星「俺に出来ることなら、なんでもやろう」


遊「有難う。……さっそくだが、ジャックを起こして来てくれないか?」


星「ジャックを……?」


遊「大丈夫だ、お前の知ってるジャックとは全く違う。殴って起こせ」


星「……お前、意外と過激だな」














――コンコンッ









星「……ジャック?」


JA「………」


星「爆睡か……、ジャック、起きてくれ。ジャック(ユサユサ」


JA「……ん…、もう朝か…」


星「あぁ、寝るのが遅かったのか?まだ眠そうだが」


JA「……少しデッキ調整をしていただけだ、このぐらいどうということはない」


星「顔を洗ってくると良い、朝食はもう準備出来てるぞ」


JA「そうだな……」














遊「おはよう、ジャック。珍しく遅いな」


JA「たまには寝坊もする……」


遊「早く目を覚まして来い、ご飯が冷めるぞ」


JA「あぁ、分かっている」










遊「緊張したか?」


星「……まだな」


遊「だが、まるっきり違うだろう?」


星「あぁ、こっちのジャックは良い奴だな」


遊「俺は絶対王者のジャックに会いたくなって来たな。どんな奴か間近で見てみたい」


星「最悪な奴だぞ。それに強い」


遊「絶対王者のジャックは、手加減無しで殴れそうだ」


星「本当に過激だな、お前……」










JA「おい、遊星。お前何か陰口を言っていなかったか?妙に寒気がするんだが」


遊「なんのことだ?それよりも早く食べてくれ。片付かないだろ?」


JA「………おい、本当に何も言ってないのか?(ボソッ」


星「……俺の口からはなんとも…」


遊「ジャック、早く食べてくれ……」


JA「あ、あぁ……」












ク「ただいまーっと」


星「おかえり」


ク「おっ、今日はこっちの遊星がお出迎えか」


星「クロウ、俺は今日一日であることを学んだ」


ク「へぇ、なんだよ?」


星「こっちの俺は、凄く怖いんだな」


ク「……お前、今日一日で何を見たんだよ…」


星「初めて、ジャックという存在に同情した」


ク「あぁ、何か分かったかも。まあ、遊星はジャック以外には無害だから大丈夫だろ」


星「ジャック以外か…そうか…」

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