38待ちきれない。 なまえが帰ってくる飛行機は午後の、しかも夕方辺り。今は正午。 「馬鹿かな…僕は」 苦笑が漏れる。 人が絶えない空港で、何かするわけでもなく。 ただ、ボーっとしていた。 この約1年半、なまえからの連絡は一週間前の今日帰国することぐらいで。 でも、不思議と不安になることはなかった。信じていたから。 「大丈夫、だよね…」 今更、不安が押し上げてきて。 ソワソワしてしまう。 実に僕らしくない。 落ち着かなきゃ。 と思うほど胸の鼓動は大きくなっていって。 どこか、お土産屋さんに入ってぶらぶらしようと思ったときだった。 「なまえ…」 目の前から愛しの想い人、なまえの姿を捕らえたのは。 『あ、れ…?総司…?』 到着は午後4時頃の筈だったのだが、チケットに不備があったようでお昼頃に着く便に乗った。 勿論、迎えはまだ来てないだろうと思ったし、(来るかどうかも不安だったが…)お土産屋さんでも見てようかなって足を運んだら。 『え…なん、で…夕方辺りに着くって…』 「待ちきれなかったんだよ」 『そっ総司ぃいぃいいいいいいい!!』 もう限界だ、と私の頭が言っている。私は総司不足で、人目気にせず総司に抱きついたら、そっと頭を撫でてくれた。 この優しさが大好き。 「相変わらずだね」 『会いたかったよぉおおお』 「僕も」 総司の優しい笑顔がとても懐かしい。 今日からこの笑顔は私のものだ、と思ったら涙が溢れて。 「なまえは泣き虫だね」 『総司大好きぃっ』 「知ってる」 それから。 彼方の学校ではこんなことがあったとか、こんな友達ができたとか、土産話をしながら久しぶりのマンションへと帰った。 「あ、そうだ」 『ん?』 「僕もここに住むから」 ポカーンとしてると思う。 だって、口と目が乾いてきたもん。 『ま、まじすか』 「何、嫌?」 『逆。嬉しすぎて吐きそう』 「ぷ…っ何それ!」 どうしよう。 この焦る感じも久しぶりで、うん。 色々とただいま! → |