長編恋の解き方 | ナノ




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「なぁ!なまえが帰ってくるの今日だよな?」


平助くんは登校途中、突然なまえさんの名前を口にした。


「うん、そうだよ」


そう。
今日はなまえさんがアメリカから帰ってくる日。

だが、まだ2月。
なまえさんは最短以下の異常な速さで卒業したらしい。

流石だと思います。


「だけど、帰ってくるの午後だろ?」


薫が言っている意味は、きっと沖田さんのこと。
今頃、空港に着いているのだろう。


「ほんっと、総司のなまえに対する激愛っぷりには恐れ入るな」

「藤堂、お前も似たようなもんだろ」


薫の言葉に、私も平助くんも驚きを隠せない。
まさか、薫がそんな事を言うなんて。


「だけど、俺はまだ許してないから」


あぁ、やっぱり。
ギロリと平助くんを睨みつける姿は、まるで蛇だ。
蛇と蛙の関係とはこのことだなって思う。


「あ…っと、ととにかくさ!これで一件落着だよな!」

「どーだか」

「え?」


私も一件落着だと思ったのに。
薫は何を言っているのだろう。


「なまえが沖田のことまだ好きだと限らないだろ」

「でも行く前はあんなに…っ」

「約1年半も離れてたし」


なまえさんに限ってそんなこと…。
でも留学中、沖田さんに連絡は全くなかったと言うし…。

まさ、か…ね。


「なまえもただの人間だからね」


なんとなくズーンと沈んだ空気の中、学校にたどり着いた私たちは、終始無言だった。

なんだか気まずい。


「ま、なまえなら大丈夫だよ」


私の顔が一番暗かったのだろうか、一番わかりやすかったのか、平助くんは私を励ましてくれて。

「平助くん、ありがとう!」

「お、おぅ…」


顔を真っ赤にした平助くん。
私はこの人のことが好きだと実感する瞬間。

きっと大丈夫。














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